ビーナス・ウイリアムズには5度優勝の経験が、コンタには地元イギリスの観客がいる [ウィンブルドンPreview]

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 イギリス・ロンドンで開催されている「ウィンブルドン」(7月3〜16日)の女子シングルス。

 ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)とジョハナ・コンタ(イギリス)が準決勝で対戦するとき、もし過去の成功がもっとも重要なことなら、これは釣り合いの悪い顔合わせということになる。

 ビーナスにとって木曜日の準決勝は、オールイングランド・クラブ(ウィンブルドン)で10度目のものだ。そしてコンタにとっては初のウィンブルドン準決勝----ここ39年で、どんなイギリス人女子プレーヤーにとっても、初のものだった。

 そしてビーナスにとっては22番目のグランドスラム大会準決勝で、コンタにとっては2番目となる。

「間違いなく経験は助けになると思うわ。対戦した多くのプレーヤーにとって、それは彼女たちにとって初めての3回戦であり、初めての4回戦、準々決勝だった」と、20回目のウィンブルドンをプレーしている37歳のビーナスは言った。

「だから私は以前に、もうこの手のプレッシャーに対処しているという経験を、頼みにするチャンスを手にしている」

 もうひとつの大きな違いは、ビーナスがグランドスラム大会では8度目、ウィンブルドン・シングルスでは6度目の優勝を目指しているのに対し、コンタはまだ優勝経験がないという点だろう。

「ビーナスと彼女の妹セレナが私たちのスポーツに与えたのは、途轍もなく素晴らしいものだわ。彼女たちがいかにして女子テニスを高めたかには、本当にインスピレーションを与えられる」とコンタは言った。「だからすごく興奮しているし、彼女とふたたび同じコートに立てることに興奮し、謙遜な気持ちを感じてもいる」。

 もうひとつの準決勝も、過去の成就という意味では不均衡だ。第14シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)対、世界ランク87位のマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)だ。ムグルッサは昨年全仏オープンで優勝し、2015年ウィンブルドンで準優勝した。反対にリバリコバは、35回グランドスラム大会に出場しながら、これまで一度も3回戦を超えたことがなかった。

「(勝ち進む)有力候補は彼女(ムグルッサ)よ」とリバリコバは言った。「私は試合を楽しむためにここにいる。何が起こるか見てみましょう」。

 とはいえ、対戦成績を見比べれば互角に近い可能性がある。このふたりは過去に4度対戦しており、戦績は2勝2敗だ。ムグルッサは、グランドスラム大会での唯一の対戦だった2013年全豪オープンで、第3セット14-12という接戦の末に勝っている。リバリコバは、2015年のバーミンガムで、唯一のグラスコート上での対戦を6-3 6-1で制していた。

 一方、コンタとビーナスの対戦は、この準決勝が6度目となる。コンタは2016年全豪オープンを含め、うち3試合に勝っている。その全豪が、彼女がグランドスラム大会で準決勝進出を果たした、これ以前の唯一の機会だ。ビーナスは、最後の対戦だった5月のイタリア国際で勝利をおさめていた。

「ビーナスとグラスコートでプレーしたことは一度もないわ」とコンタは言った。「だからこれは私にとって、新しいチャレンジね」。(C)AP(テニスマガジン)

※写真は「ウィンブルドン」女子シングルス・ベスト4の顔ぶれ。左からガルビネ・ムグルッサ(スペイン)、マグダレナ・リバリコバ(スロバキア)、ジョハナ・コンタ(イギリス)、ビーナス・ウイリアムズ(アメリカ)。(撮影◎小山真司/テニスマガジン)