今後フランスでもドラえもんが国民的キャラクターになる……かもしれない。ヨーロッパでは誰もが知っているお菓子「キンダー」シリーズの食玩入り卵型チョコレート「キンダー・サプライズ・マキシ」に、食玩としてドラえもんが採用されている。


フランスをはじめヨーロッパでは、もうすぐ復活祭。復活祭とはイエス・キリストの復活を祝うイベントだ。フランスでは復活祭の月曜日が祝日になり、子どもたちはその日の朝に卵型のチョコレートを探す、という行事が行われる。そのため、この時期になるとどこのスーパーマーケットへ行っても、卵型のチョコレートが前面に陳列されているのだが、その代表的な商品が「キンダー・サプライズ」シリーズである。

早速ドラえもんチョコレートを買ってみた


ドラえもんの食玩を展開するキンダー・サプライズ・マキシは、通常のキンダー・サプライズより一回り大きい。チョコレートの大きさは、高さ約13cm、幅約8cm、重さ100g。パッケージ・デザインはドラえもんのポーズ別に3種類ある。


包装用のアルミニウムをはがすと出てくるのはミルクチョコレート。そのミルクチョコレートを割ると、内側はホワイトチョコレートで包んだ層になっており、中に食玩が入った黄色のカプセルが収まっている。これらチョコレートの仕様は他のキンダー・サプライズも同じで、チョコレートの味は子ども向けであるために甘い。


1つ目の卵から出てきたのは、星のステッキを持ったドラえもんにドラえもんのシールがついたもの。食玩の種類は3パターンあり、筆と絵の具をもっているものと、車に乗っているものがある。

なぜフランスでドラえもんなのか?


ドラえもんは日本を代表するキャラクターではあるが、フランスでは日本ほどの知名度はない。そのフランスでなぜわざわざドラえもんを採用したのだろうか。同チョコレートの広報を担当する広告代理店ハバス社に聞いてみた。

「フランスにおいて、ドラえもんというキャラクターは日本と比べてとても知られておらず、『ドラえもん』というアニメもフランスでとても人気があるとはいえません。しかし、ドラえもんの見た目はとても興味深いですし、インパクトがあります。例えば2016年にはコレット(パリ市内の人気セレクトショップ)がドラえもんとの限定コラボレーションをしたように、キャラクターとしては十分に魅力的だと思われたため(キンダー・サプライズに)採用しました」(同社広報)


確かに、日本人はあのキャラクターを見慣れているものの、初見の人には特徴的だ。ハバス社によれば、ドラえもんとのコラボレーションは今回が初だという。来年の復活祭でもドラえもんのキンダー・サプライズを継続、または別の日本のアニメ・キャラクターを採用する予定はあるのだろうか。

「現時点では、来年の復活祭の時期もドラえもんをキンダー・サプライズの食玩にする予定はなく、他の日本のアニメのキャラクターを使う計画もありません。今後の経過は時間とともに見ていきたいと思います」(同)

確約はないが、もしフランスの子どもたちがたくさんドラえもんのキンダー・サプライズを買えば、さらなる展開もありえるはず。フランスでのドラえもんのさらなる認知度向上を願い、ささやかながら、また買ってみようかな……!
(加藤亨延)