ラーメンと言えば「ラーメンヌードル」と呼ばれる、袋入りインスタント即席ラーメンが主流だったシカゴ。NYやLAに追いついたのか、ようやくラーメンブームに火がついて来たような感じがある。

そんなシカゴに、日本のラーメンチェーン「麺屋空海」のフランチャイズ店「輝月」がオープンしたのが昨年3月(2012年にシアトルで米国1号店を開店)。現在、オープン一周年記念イベントとして「ラーメン・スラーピング・コンテスト」が開催され、シカゴのメディアで盛り上がっている。
「スラーピング」とは「すすって食べる」という意味で、ラーメンをすする様子を撮影して応募、毎週3人優勝者が選ばれ、お好きなラーメン一杯を無料で提供するという企画だ。



「ラーメンを通して日本の歴史や文化などを学んでもらいたい」


食事の際のマナーとして一番大事な「音を立てずに食べる」という欧米文化。
それと真っ向から対抗するかのような「音を立てて食べる」日本の麺の食べ方。

そんなカルチャー対決になりそうなイベントをあえて企画したのが、「輝月(Kizuki Ramen & Izakaya)」のオーナー兼店長・ケビンさん。

「ここに来てくれるお客さんに、ラーメンを通して日本の歴史や文化などを学んでもらいたいと思っているんだ。すすり方にしても、大きな音を立てて食べると美味しいアピールに繋がって、シェフにも無言の感謝をしているようなものだし、日本の文化は奥深いからね。実際、すすって食べた方が絶対に美味しいよね」



お客の反応はどうなのだろうか。
「初めて来て、周りを見て驚いているお客さんもいるけど、結局は楽しんでくれている。
アメリカ人でも子供の頃にスパゲティーをすすった記憶があると思うし、それを思い出しているような感じじゃないかな」

蛇足だが、筆者の同僚のアメリカ人は、大のラーメン好きなのにどうしてもすすれないと嘆いている。一本ずつならできるが、束になるとできないそうだ。
「日本人の口の作りとどっか違うんだと思う」と勝手に解決していたが、コツもあると思うがやはり元々の食文化の差なのだろう。

楽しい企画でシカゴ市民を楽しませている輝月は、シカゴ在住日本人にも嬉しい場所だ。
一歩入れば「いらっしゃいませ〜」と言う日本語での挨拶があり、食材はすべて日本から仕入れ、日本の「麺屋空海」の味をそのまま提供しているという。
また、店名にRamen & Izakayaとあるように、ラーメンのみならず、枝豆、たこ焼き、揚げだし豆腐、日本酒といった居酒屋メニューもある。


世界的なラーメンブーム。この調子で続いてくれたら世界中どこでも、日本人以外の前でも堂々と蕎麦やラーメンをズルズルと 食べることができる日が来るはず。
その日まで、世界中のラーメン屋サン「すすり方」もお客さんに伝授してくださいね〜。
(シカゴ・あらた)