極小プロジェクター「ASUS ZenBeam E1」レビュー。小さいながらもDLPにLED光源でしっかり投影

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「ミニプロジェクターって仕事でもプライベートでも、1つあると便利だよね」とかねがね思っていたところ、ポケットサイズのプロジェクター「ASUS ZenBeam E1」が発売されたので、早速使ってみました。

ZenBeam E1の最大の特徴は、そのサイズ。83(W)×110(D)×29(H)mmと、フットプリントはおよそ文庫本の半分。手のひらにすっぽり収まり、厚みはあるものの「ポケットサイズ」をうたうだけのことはある、とてもコンパクトな製品です。

重量は307g。サイズからすると、ちょっとズシりとくる感じではありますが、金属製のボディでしっかりしているうえ、内蔵バッテリーが6000mAh搭載されているので、ほかに必要なものはケーブルのみ。その手軽さが、この製品の魅力のひとつです。

バッテリーでの駆動時間は最大5時間。モバイルバッテリーとして、スマートフォンなどへ給電もできるので、別途モバイルバッテリーを持ち運ぶ必要もなくなります。キャリングバッグが同梱されていて、USB端子部分に穴が開いているというのも、心憎い気遣いになっています。

ただ、充電はUSB経由ではなくアダプターが必要なので、出張で持ち歩くという場合は、アダプターも持ち歩いたほうが安心でしょう。

投影方式は0.2インチのDLPを採用。光源はRGB LEDを使用しているので、寿命は3万時間となっています。解像度は854×480ドット(WVGA)で、投影サイズは約1mの距離で32インチ、最大約3.7mの距離で120インチとなっており、小さいながらも十分な投影サイズを確保しています。

コントラスト比は3500:1、明るさは最大150lmと、数値を見るとちょっと暗め(通常のプロジェクターは1500lm以上が主流)。とくにバッテリー駆動時は50lmとのことで、電灯を点けての投影だと見えづらいかと思いきや、近距離での投影だとギリ使える感じでした。でも大きく投影する(投影する距離が長く)場合は、電灯を消して使用したほうがいいでしょう。

底面には、カメラの三脚と同じネジ穴が備わっているので、ミニ三脚と組み合わせれば、投影場所をコントロールしやすくなります。自動台形補正機能が備わっているので、特に設定する必要なく起動したらすぐに利用できます。

電源ボタンは背面にあり、1秒ほど押せば給電モード、3秒と長押しするとプロジェクターが起動します。同じく背面にはHDML1.3対応の端子とUSB2.0端子、ヘッドホン端子があり、HDMLケーブルをPCやスマホなどと接続して投影します。MHLにも対応し、変換アダプターをかませばiPhoneでの投影も可能。また、HDML端子を備えたスティックタイプのPCやMiracastレシーバーなどを接続して利用することもできます。

起動すると、設定メニューが立ち上がり、まずメニューの言語を設定できます。日本語も用意されているので、設定で困ることはないでしょう。上面にはボタンが4つあり、左から順に「標準」や「シアターモード」といった投影モード/戻るボタン、ボリュームダウン/メニュー項目左移動ボタン、設定メニュー表示/確定ボタン、ボリュームアップ/メニュー項目右移動ボタンとなっています。

先述のとおり、プロジェクターを利用するにあたっては自動台形補正機能(完璧ではないですが、ある程度補正してくれます。設定でオフにもできます)があるので、投影モードを変えるぐらいで、設定は特にいじる必要はありません。ピントはレンズ近くにダイヤルがあるので、それで調整しますが、ダイヤルと補正の動きが連動しないときがあり、微調整にはちょっと慣れが必要かもしれません。

実際使ってみましたが、LED光源なためすぐに投影でき、セッティングもそんなに必要ないのでラクでいいですね。ただ、静かな部屋だとファンの音が結構気になります。オフのときは、電源ボタン2度押しで、すぐにファンも止まり、すぐに仕舞えます。本体は特に熱くなることもなく、レンズ部分のカバーも備えているので、キャリングバックに収納しても問題なさそうです。

解像度的には、フルHDの信号を入力してもWVGAサイズに自動変換して投影してくれますが、細かな文字もなんとか読めます。プレゼンテーションで使うぶんには十分じゃないでしょうか。動画も再生してみましたが、残像感もなく字幕も読めるので、輝度とコントラストのバランスを調整すれば見やすいですね。

2Wスピーカー×1も内蔵していて、ASUS SonicMaster技術により、小さなボディーながらかなりクリアで聞きやすい音を響かせてくれます。映画や動画を見ていても音量も大きいので明瞭に聞こえ、ファンの音は気にならなくなるぐらいです。「シアターモード」にするとファン音を若干抑えられるとのことですが、実際にはその違いがわかりませんでした。

コンパクトかつバッテリー駆動可能なので、場所を選ばずどこでも投影して利用できますが、私のおすすめはベッド上の天井への投影。自動台形補正は効きませんが(手動で補正は可能)、ゴロ寝しながら動画を楽しんだり、ゲームをしたりできるので、ぐうたらな私にはまさに楽園ですよ。

実売価格は3万3000円前後。ちょいと値は張りますが、仕事でもプライベートでも活躍する製品といえるでしょう。