会社や店舗がすすんで「えこひいき」すべき客とは、どんな客?

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“顧客管理士”の肩書きを持つ高田靖久さんが執筆した『お客様は「えこひいき」しなさい!』(KADOKAWA刊)は、新規客の獲得を狙うばかりの会社からすれば、ある意味で革新的な一冊だろう。

「お客様は平等に扱う」という不文律を守っていても売上げは上がらない。大口の常連客を「えこひいき」すべし――これは本書を読めば、かなり理に適っている指摘に思えてくるだろう。

高田さんへのインタビュー後編では、具体的にどのような顧客を「えこひいき」すべきかお話をうかがった。

■「お客様別売上げランキング」を作成すべし! その理由とは?

――高田さんが本書でも提唱されている「売れる仕組み構築プログラム」についてご説明いただいています。それは「集める」「固定客にする」「成長させる」「維持する」という4つのステップがあるとおっしゃっていますが、特に第3ステップの「成長させる」に注目されています。

高田:そうですね。固定客にすることと、自然にお客様が定着する「維持する」のフローに大きく影響を与えるのが「成長させる」というフローです。

ここで登場するのが「えこひいき」なんです。この本では大きな企業についての「えこひいき」の事例も取り上げていますが、活用するならば小さな店舗の方が有効であるはずです。

小さな飲食店にある、常連客しか知らない裏メニュー。すごく誇らしい言葉の響きじゃないですか。その裏メニューを食べたいがために訪れるお客様もいるわけで、これが一つの「えこひいき」になるんですね。

――「えこひいき」の仕方についてお伺いします。何度も来てくれるけどあまりお金は払わない人、頻度はそこまででもないけど定期的に来店してたくさんお金を支払ってくれる人、どちらを「えこひいき」すべきなのでしょうか。

高田:これは間違いなく、会社やお店に累計でたくさんお金を落として帰るお客様です。質問の回答をするならば、後者ですね。

ドライな考え方と思われる人もいるかもしれませんが、どの会社も取引件数ではなく、売上高が最も重要とされるはずです。

私はこの本の中でも言っているのですが、ぜひ「お客様の売上げランキング表」を作成してみてください。そうすることで、目立たないけれど実はお金をたくさん落としてくれている人は誰なのか、本当の姿が見えてきます。

また、お客様の売上げランキングを見て、上から10%を「ファン客層」、20%を「得意客層」、30%を「浮遊客層」、40%を「試用客層」という4つの客層に分類してみてください。

――これで分かることはなんでしょうか。

高田:このインタビューの冒頭で申し上げた「売上の75%を占めている、上位3割のお客様」が「誰なのか」が把握できます。

その客様に対して「えこひいき」が重要な一手となるわけですね。

――では、新規客に対してどのように対応すべきなのでしょうか。

高田:多くのお店が割引きを使って新規客を集めようとします。

しかし、割引きで集客すると、「安さに価値を感じる」お客様ばかりが集まります。そのようなお客様は、次も安くないと来てくれません。結果、「割引きで集客」すると「1回きりのお客様」ばかりが集まりがちになります。

なので、それ以上に「価値観」で集客し、「そもそも固定客になりやすいお客様」を集めていく必要があります。この点については、拙著『「1回きりのお客様」を「100回客」に育てなさい!』(同文舘出版)にて詳しく説明していますので、よければそちらをご参考ください。

――最後に、本書をどのような方に読んでほしいですか?

高田:経営者ならば全員に読んでほしいと思いますが、特に小さな会社や店舗では、この「えこひいき」の顧客戦略は非常に重要です。

本書では実際の「えこひいき」の事例を多数紹介していますし、実際に使われているランクアップシステムという、会社側にもお客様側にも好影響を与えられるシステムについて書いています。

ぜひこちらも参考にしていただいて、経営に役立てていただければ幸いです。

(了)

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