レコ大の”出来レース”は暗黙の了解だった?

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DJあおいの「じゃあ言わせてもらいますけど」

 芸能界に激震を与えたEXILEや三代目 J Soul Brothersが所属するLDHの「日本レコード大賞」の買収疑惑。同賞の最高責任者である日本作曲家協会会長の叶弦大氏(78)が謝罪するという事態にまで発展し、波紋が広がっている。DJあおいはこの騒動をどう分析するのか──。

■レコ大存続のために大賞を売っていた?

 昨年末の日本レコード大賞を三代目JSBが獲得した裏で金銭のやり取りがあったことが『週刊文春』(文藝春秋)により報じられました。

「決定的証拠」という見出しですが、内容は芸能プロダクションのバーニングから三代目JSBが所属するLDHに対しての請求書の写しのみ。「年末のプロモーション業務委託費として」という名目での1億円の請求書だったわけですが、これだけでは決定的とは言えない。疑惑の範疇から脱しえない情報量なのではないでしょうか。

 それでもこれを「決定的」と謳い報じたのは、おそらく『文春』は他にも決定的と言えるネタを持っているのでしょう。今後の『文春』に注目したいところです。

 古くからレコ大には買収の疑惑があったわけですが、それでもエンターテイメントとしてきっちりと視聴率という結果は残してきたわけです。買収があったかどうかはわかりませんが、商業的には成立していたと言えるでしょう。

 しかし、近年の視聴率を見てみると年末の大型特番にもかかわらず視聴率は10パーセント前半程度、かつては50パーセントの視聴率を誇っていた怪物番組が今や人気の連ドラにも劣る数字しか出せなくなってしまっているわけです。これでは商業的に切迫していたのかもしれません。

 そういう目で見ると、視聴率が悪くなるほど首を傾げたくなるような選考になっているようにも見えます。もしかしたらレコ大の存続のために大賞を売っていたのかもしれません。

 ネットでの反応は「知ってた」とか「どうでもいい」等、わりとドライな意見が多く見受けられました。レコ大に限らず、もうテレビというメディアに音楽というものを求めていない層が多いんですよね。

 素人の目から見てもテレビの音楽番組で紹介される音楽は必ずしも「いい音楽」ではなく何かしらの圧力で商業的に紹介しているだけの音楽に過ぎないことはもう随分と前から分かっていたことですから。賢明な「音楽ファン」からすれば今さらな遅すぎたニュースだったのかもしれませんね。

 日本の音楽シーンが衰退の一途をたどっている元凶は、こういった利益優先の商業音楽にテレビというメディアが過剰に偏ってしまったため。今回の一件が少しでも音楽シーンに良い影響を与えるものであるように願っていますが、テレビでの報道の少なさを見るとまだまだ時間が掛かりそうな問題のようです。

 どこまで音楽の暗黒時代を築けば気が済むのか、闇はまだ深そうですね。

著者プロフィール


DJあおい

謎の主婦。ツイッターで独自の恋愛観を綴り、一般人としては異例のフォロワー22万。サブアカウントではフォロワーの恋愛相談にも乗り、こちらも異例のフォロワー15万。著名人のファンも多く、幅広い層から支持されているが、その素性はいまだ謎のまま。

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