ストレスで食欲アップ…「エモーショナルイーティング」を制御する方法
話題のスイーツのお店の前を通ると、たまたま席が空いていました。ちょうど時間もあります。もしこんなシチュエーションになったら、あなたはどうしますか?
前から興味があったし、せっかくのチャンスだからお店に入って食べちゃおう! 空腹ではないのにそんな行動を取るタイプの人は、気づかないうちにエモーショナルイーティングをしてしまっているかもしれません。
今回は心理カウンセラーでもあり、20年以上のダイエット指導歴を持つ筆者が、エモーショナルイーティングの原因と対処法をご紹介します。
■1:エモーショナルイーティングって?
エモーショナルイーティングとは、emotional(感情的な、感情による)という言葉の通り、本当に空腹で体が欲する食欲を本物の食欲だとすると、エモーショナルイーティングは空腹でもないのに視覚や嗅覚から入った情報や記憶によって感情が動かされ、その衝動が抑えられなくなる“ニセの食欲”によって食べてしまうことをいいます。
エモーショナルイーティングには、食べたあとに罪悪感が押し寄せてきたり、食べ始めたら止められないなどの特徴があります。
■2:自分の傾向を把握する
エモーショナルイーティングは本人が気づかないまま陥っている場合が少なくありません。例えば「甘いものは別腹」「〇〇を食べたらホッとする」「飲みの〆はラーメンで」といったことでも、自分で作り出したルーティンによるエモーショナルイーティングになっていることがあります。
近年では夜、全ての用事が済んでホッとしたからとSNSを見ると、美味しそうな食べ物がアップされていて、どうしても食べないと治まらなくなってしまいつい食べてしまうというケースも増加しています。
このように色んなケースが考えられるので、まずは自分が本当にお腹が空いているときだけ食べているのかそうでないかを、食べた時間と食べたもの、そのときの空腹感やどんな感情になったときに食べたくなるか?などを書き出して把握することで、自分がエモーショナルイーティングをするときのパターンを把握することができます。
■3:食べたくなったときは「なぜ?」と問いかけてみる
「何か食べたい」と思ったら、自分に「なぜ食べたいの? 今お腹空いてる?」と問いかけてみましょう。そして食べ物意外に意識を向けて、友達とコミュニケーションをとったり、コスメや洋服を見に行ったりするのもお勧めです。
お腹は満たされているのに、心が満たされていないときにエモーショナルイーティングの衝動が起こりやすくなります。たまったストレスを食べることで解消しようとするのですが、食べたあとの罪悪感が更なるストレスとなってしまい、悪循環に陥ってしまいます。それを避けるためには、日頃から食べること以外に夢中になれる趣味を持つこともよいでしょう。
食べることと正反対にはなりますが、ウォーキングなどは幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促進されて、心が満たされるので、食べたくなったら歩くという、ひとつのルーティンを決めるのもいいでしょう。また病的な過食だと思ったら早めに専門家のカウンセリングを受けることをお勧めします。
エモーショナルイーティングには様々なパターンや対処法がありますが、自分の現状を知り、自分に合った方法を見つけて、エモーショナルイーティングをやめるだけで、痩せることができるケースも多いということを頭の片隅に置いておいて下さいね。
【参考】
※ 「お腹がすいていなくてもつい食べ過ぎてしまうあなたへ」/著:スーザン・アルバース(訳:西 悠彩)/サンマーク出版
【筆者略歴】
※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。
【画像】
※ Agnes Kantaruk / shutterstock