中国はかつて2桁の経済成長率を保ち、著しい成長を遂げた。2015年の中国の経済成長率は25年ぶりの低水準となったが、それでも6.9%の伸び率であり、日本の国内総生産(GDP)を大きく上回った今も中国は成長を続けている。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国はかつて2桁の経済成長率を保ち、著しい成長を遂げた。2015年の中国の経済成長率は25年ぶりの低水準となったが、それでも6.9%の伸び率であり、日本の国内総生産(GDP)を大きく上回った今も中国は成長を続けている。

 中国ではGDPの数値を根拠に、「中国経済は名実ともに日本経済を超えた」と主張する声は多いが、中国メディアの緯度財経はこのほど、中国経済は改革開放によって大きな発展を遂げ、日本を抜いてアジア最大の経済大国となったとする一方、「中国は真の意味で日本を超えたわけではない」と指摘している。

 記事はまず、経済の「質」について取り上げ、日本の第一次産業の比率は5%以下であると同時に第三次産業の比率は約60%だと紹介し、成熟した経済構造を実現しているのに対し、中国は総人口の60%が今なお農村部に住み、第一次産業の比率の非常に高いと紹介。経済構造がまだ未熟なままであると論じた。

 また、中国経済の世界経済における役割としては「末端」に位置しており、日本を始めとする国から部品を輸入し、組み立てを行って輸出しているのが現状と指摘。それにもかかわらず、中国はすでに高齢化と生産年齢人口の減少が始まっているとし、「製造業の競争力も高まらないうちに外資メーカーは撤退を始めてしまった」と論じた。

 さらに記事は、中国の内需についても「貧富の差は拡大するばかりで、不動産価格の上昇が未来の消費を先食いしている」と指摘したうえで、「中国経済はとてもじゃないが、日本と同列に論じることのできる存在ではない」と主張。GDPの数値だけを見ていては正しい中国経済の姿を認識することはできないと指摘している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)