えっ、知らなかった…「大腸がんリスクを高める」NG習慣

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女性のがんで罹患者数が最も多いのは乳がんですが、死亡数から見ると乳がんは第5位。4位膵臓がん、3位胃がん、2位が肺がんで1位は大腸がんとなっています。大腸がんは罹患者数でも乳がんに続き第2位。

そこで今回は、NPO法人予防医療推進協会の理事長を務める筆者が、女性がついやってしまっている大腸がんリスクを高める習慣をご紹介します。

■1:和食より洋食派

食の欧米化が大腸がんのリスクを高めているといわれることもあります。しかし、その一方で、安価で食べられる、何となくおしゃれ感がある、話題のお店などの理由で地味な和食よりも洋食を好む人が多く見られます。

なぜ食の欧米化が大腸がんリスクを高めるかというと、洋食はどうしても高脂肪、低食物繊維になりがちだから。動物性脂肪を摂るとその消化のために胆汁の分泌量が増えます。そして大量の胆汁酸が腸の中に流れ込み、代謝された胆汁酸が発がんを促す可能性があると考えられています。

■2:サラダで食物繊維を摂っている

ジャーサラダに次いでチョップドサラダがブームになっていますね。サラダのみで食事を済ませる女性もよく見かけます。一見、ヘルシーではありますが、実はサラダのみの食事では食物繊維が不足しがちに。

サラダのメインでよく使われているレタスの食物繊維は100g当たり1.1g。レタス100gは、ひと玉の3分の1。レタスでもサニーレタスは100g当たり2.0gの食物繊維が含まれていますが、やはり3分の1株で100g。食物繊維は1日25g摂取することが推奨されているので、到底それだけではまかなえません。

また、国立がん研究センターの調査では、1日の食物繊維の摂取量が10g未満になると、大腸がんのリスクが高くなる可能性があるとのこと。(食物繊維を多くとることが、大腸がん予防につながるわけではありません。)

ちなみに今から旬を迎えるきのこ類。生シイタケでは100g当たり6.0g、まいたけ、えのき、エリンギでは5.0g、生芋こんにゃくでは3.0gの食物繊維が摂れるので、サラダに限らずきのこ類、こんにゃく、海藻類、豆類などをバランスよく摂取することを心掛けましょう。

■3:お酒をよく飲む

同じく国立がん研究センターの調査では、アルコール飲料の摂取量が最も少ないグループに比べて、最も多いグループでは大腸がんのリスクが約2倍にもなったという報告があります。1日のアルコール摂取量が15g増えるごとに大腸がんのリスクが約10%も増えるともいわれています。アルコール飲料の摂取は控えめに、そして毎日飲むのはやめた方が良さそうですね。

いずれも特別なことではなく、ごく普通の日常生活の中で当たり前のようにされていることが、まさか大腸がんのリスクを高めてしまいます。バランスの良い食生活を目指したいところですね。

【参考】

食物繊維摂取と大腸がん罹患との関連について - 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ

※ 飲酒と大腸がんリスク - 国立がん研究センター社会と健康研究センター予防研究グループ

※ 食品成分データベース - 文部科学省

※ がん(悪性新生物)とは? 大腸がん➀―原因・症状 - 日本成人予防協会

【監修者略歴】

※ 川上智史 ・・・ 医学博士。主に予防医学を専門とし、各種教育機関で基礎医学について講義を行う他、一般向けに予防医学に関する講演を行うなど、予防の重要性を啓発し続けている。また、アンチエイジングアドバイザー、メディカルアドバイザーとして医学的に“美と健康”を追求し、コメンテーターとしても幅広く活動。

【筆者略歴】

※ SAYURI・・・長年の医療業界での経験を生かし、健康管理士、食育インストラクター、心理カウンセラーとして執筆活動や講演活動をする傍らNPO法人予防医療推進協会の理事長も務める。

【画像】

※ Syda Productions / shutterstock