『OUR HOUSE』公式サイトより

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 低空飛行を続けていた6月12日に放送されたドラマ『OUR HOUSE』(フジテレビ系)の最終話の平均視聴率が、全話中ワーストの3.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)を記録したことが明らかになった。視聴者らの酷評を浴び続けた同作は、最終話でもネット上では「意味不明」「安易な展開」などと猛批判を受けている。

■最終話は脚本もヤル気なし?内容が「意味不明」の声も

 シャーロット・ケイト・フォックス(30)、芦田愛菜(11)のW主演に加えて、野島伸司(53)の脚本をつとめると発表されて当初話題になった『OUR HOUSE』。

 最終話では、伴家の亡くなった母親・蓉子に瓜二つの葵(共に渡辺舞・27)が「この家の家政婦になるわけじゃない」「夏休みにニースに遊びに来て」と発言し、奏太(山本耕史・39)とフランスで新婚気分を味わう願望を明かす。家族と離れて暮らそうとする葵に悲しみを感じる子どもたちは、「やり直したい」とアリス(シャーロット・ケイト・フォックス・30)を説得するも無下にされる。一方、家へコッソリ荷物を取りに来た父親・奏太に桜子(芦田愛菜)は、奏太が葵との生活を選択しようとしていると感じて「勘当します」と今生の別れを告げる。

 その後、桜子はウェディングドレスをアリスに身に付けさせて教会に招く。相手は奏太ではなく、子どもたち。4人の子どもたちがタキシード姿で登場し、「家に戻ってきてほしい」と再度お願いする。その思いを受け止めたアリスは、4人それぞれの指輪を受け取り、家族としての生活を再スタートする。そこへ、葵と空港で別れを告げてきた奏太がひょっこり帰って来て家族が再び揃い、めでたしめでたし。

 平均視聴率は、ドラマ『HEAT』(フジテレビ系)の今世紀最低の2.8%には届かなかったものの、3.3%を記録して0.5%差。同じ時間帯に放送されたドラマ『99.9 -刑事専門弁護士-』(TBS系)の16.5%の5分の1の数字となった。肝心の内容も、一部視聴者から「安易な展開がなんとも苦かった」「最終回はさらに意味不明で、見ていてイライラした」「山本耕史の使い方が間違っている!」などと不評だった。

「最終話では奏太の描かれ方が雑でした。奏太の優柔不断などっちつかずの一面を表現したかったのかもしれませんが、伏線がフラフラしていてフランスに行くのか家に帰ってくるのか、はたまた一人身になるつもりなのか最後まで分からず、視聴者を混乱させました。また、アリスを家から追い出し、トラウマになってもおかしくない心の傷を負わせた割にアッサリしたハッピーエンディング。脚本にちょっと強引な部分が見え、あたかも『早く終わらせたい』と急いで作った印象すら受けます」(報道関係者)

 結局、『OUR HOUSE』は最初から最後まで不振をきわめ、全話平均視聴率は4.5%。『HEAT』の4.12%に肉薄した。

『OUR HOUSE』の敗因について意見は多く、脚本も演出も話題性重視のキャスティングも総じて各所で批判された。最終話は「シャーロットがウェディングドレス姿を披露する」というPRもむなしく、視聴率のワースト記録を樹立した。

「フジは日曜9時枠で再びドラマに挑戦します。ですが、ドラマ作りは月9も含めて明らかに他局とクオリティーに差があり、視聴者からもフジのドラマ作りの体制自体が疑問視されています。他にも、近年放送したドラマに反日イメージを喚起する小道具演出が紛れ込んで、一部視聴者が『反日的なスタッフが紛れ込んでいるのではないか』とウワサしています。局全体で一旦ドラマ作りを休んで、体制を整えるのも一つの手ではないでしょうか。さもなくば、マスコミや視聴者の目は自然と亀山社長(60)の責任問題に注がれていくでしょう」(前出・関係者)

 今月15日に60歳の誕生日を迎えた亀山社長。若い人間に後を譲るにはタイミング的にバッチリだが、はたしていかに。

文・海保真一(かいほ・しんいち)※1967年秋田県生まれ。大学卒業後、週刊誌記者を経てフリーライターに。週刊誌で執筆し、芸能界のタブーから子供貧困など社会問題にも取り組む。主な著書に『格差社会の真実』(宙出版)ほか多数。