日本人は礼儀正しいと世界的に評価されているが、中国では「日本人の礼儀は表面上のものにすぎない」という主張も存在する。中国メディアの雲浮時刻網はこのほど、日本人の礼儀正しさは「本心」からのものか、それとも何らかの利益を得ようとする偽善行為かというテーマに対する、中国人ネットユーザーの見解を紹介している。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本人は礼儀正しいと世界的に評価されているが、中国では「日本人の礼儀は表面上のものにすぎない」という主張も存在する。中国メディアの雲浮時刻網はこのほど、日本人の礼儀正しさは「本心」からのものか、それとも何らかの利益を得ようとする偽善行為かというテーマに対する、中国人ネットユーザーの見解を紹介している。

 記事はまず、日本人の礼儀正しさは「本心からものである場合と、そうでない場合がある」との見解を紹介。例えば品物を買わずに店を後にする時でも日本人の店員が「ありがとうございました」と述べるのは利害関係に基づく偽りの礼儀であり、公共の乗り物で人に席を譲るのは心からのものだという見方を示した。

 このネットユーザーは韓国で「買わないなら来店するな」と店員に言われ、「内心は日本人の店員も同じだろう」と主張。日本人店員が示した礼儀は、次回また来店するという打算に基づく、いわば利害関係に基づく偽りのものだと見なしていることになる。

 また人に席を譲る事例を心からの礼儀と判断したのは、「利害関係がない」からだと説明。つまり席を譲って何か得られるわけでもなく、逆に自分を犠牲にする、このような場合に示される礼儀は心からのものだという見方を示した。記事は「時間を犠牲にして道を教えてくれる日本人の礼儀」も心からのものだと指摘している。

 一方、別の中国人ネットユーザーは、「日本人店員の礼儀を、なぜ利益を得るための偽善と見なければならないのか?」と反論。同ユーザーは、日本人店員は礼儀を「必要なもの」と考えているだけであり、決して礼儀を通して何らかの利益を得ようとはしていないと指摘した。

 日本人の礼儀を単なる習慣とみなす意見とは異なり、この2人の中国人ネットユーザーは日本人の礼儀を利害関係に基づくものかどうかという観点で分析している。これはおそらく日本人の礼儀のレベルが非常に高いと感じるため、利益を得るという強いモチベーションでもなければ決して示すことはできないという疑いから来る見方だろう。

 中国人から見て日本人はありえないほどの水準で礼儀を示すことができる民族だと映るのだろう。それゆえ利益を得られるわけでもないのに際立った水準の礼儀を示せるのは、心のどこかに損得の打算があるからではないかという疑いが存在するようだ。2人目のネットユーザーはこのような疑いに根拠がないことを示すため、「青少年に礼儀を重視するよう教育する国家においては、礼儀は顕著に示される」と説明。日本人の礼儀は教育によって培われたものであり、決して利害関係に基づくものではないという見方を示している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)