清潔な布団で眠りたいと思うのは、いつもの時代も同じ。昔から「天日干し」や「ふとんたたき」が行われてきた。さかのぼること約20年。寝具に潜むダニの除去においては、天日干しより掃除機による吸引が効果的とされ、キャニスター型掃除機に取り付けて使用する「ふとんノズル」がヒットした。そして今、人気を集めているのが「布団クリーナー」だ。

布団クリーナーは「レイコップ」の大ヒットで世間が注目。今では掃除機を手がけてきた大手メーカーが追随し、一大ジャンルへと成長している。この記事では、そんな人気の「布団クリーナー」に関するトレンド分析と、製品選びのポイント、注目製品を紹介する。

トレンド分析
布団クリーナーは3タイプ。ライフスタイルで選べる時代に

布団クリーナーは現在、3タイプに大別できる。「元祖レイコップ型」「日系掃除機派生型」「ハンディークリーナー兼用型」だ。まず「元祖レイコップ型」。特徴は、基本的には布団以外の掃除には使わない「布団専用」で、また、布団を「叩く」機能が一般的な掃除機には無いユニークなポイントと言える。LGエレクトロニクスの製品もこのタイプで、UV除菌機能やフィルター方式による集塵など類似点が多い。

次に「日系掃除機派生型」。布団専用というコンセプトこそレイコップに似ているが、集塵方式はサイクロンや紙パックなど本格的なもので、従来掃除機の派生製品と言える。ほとんどがレイコップのような「たたき機能」を持たず、モーターブラシで同様の効果が得られるとするケースが多い。もちろん、どちらが効果的かは吸引力も絡むので一概には甲乙をつけ難いが、留意したいポイントだ。

最後は「ハンディークリーナー兼用型」。布団掃除だけでなくハンディークリーナーとしても流用できるタイプだ。布団専用にクリーナーを買うのが負担に感じるなら、このタイプが有力候補になるだろう。

この機能をチェック! 選ぶ際のポイント

1. 専用機か否か最初の別れ道は、布団専用か否か。専用機は、本体を布団の上に乗せて押したり引いたりと滑らせて使用するように設計されているので、多少大型だったり重量があっても問題にならない。むしろ、適度な面積と重量があった方が、ふとんをしっかり押さえてくれるので、吸引効果も作業性も高い。

ハンディークリーナー兼用機は、「兼用」が魅力的な反面、ノズルが布団に吸い付いてしまって作業性が低下するケースがあるので気を付けたい。なお、ハンディタイプは手で提げた状態で作業することになるので、非力な女性や高齢者が使用する場合は、本体重量もチェックしておいたほうがよい。

布団専用タイプか兼用タイプか

左はハンディー掃除機としても使える東芝「トルネオ ヴイ コードレス VC-CLF1」、右は布団専用機のシャープ「Cornet EC-HX150」

2.充電式かケーブル式か充電式はケーブルが無い扱いやすいのがメリットだが、充電が切れると使えない。充電時間と一度の充電で使用できる時間を確認しておきたい。ケーブル式はコンセントから直接電源を供給するので、長時間連続使用が可能だ。家族が多くたくさんの布団を連続して掃除したいなら、ケーブル式が有利となる。

3.叩き機能かモーターブラシか叩き機能は、物干しで人間が行う「布団たきき」を連想させ、効果が高そうに感じる。たたき機能を備えない製品は、殆どが電動で強力に回転するモーターブラシを搭載し、「たたき」と同様の効果をうたう。最終的な集塵能力は吸引力にもよるので一概にどちらがよいか断定できないため、ほかの機能との相乗効果なども期待しつつ総合的に判断するのがよいだろう。

4.集塵方式集塵方式は3タイプ。比較的簡素なフィルター方式、なじみのある紙パック方式、近年人気のサイクロン方式がある。フィルター方式は構造がシンプルで手入れが簡単だが、ゴミが溜まると吸引力が低下する。紙パック方式は、ゴミ捨てが簡単。特に布団クリーナーの場合、吸引するゴミの殆どは粉状のハウスダストで飛び散り易いのだが、その点、紙パック方式なら飛び散りが少なく安心だ。紙パックの交換に費用がかかるが、ハウスダストはかさばらないので、一般的な掃除機よりも交換頻度は少なくて済むはず。

サイクロン方式は紙パックが不要で、ゴミが溜まっても吸引力が低下しにくい等のメリットがある。集塵したゴミの量を確認しやすい点も、掃除の意欲を掻き立てるという意味で長所と言える。とはいえ、ゴミ捨て時に集塵したゴミが飛び散りやすいのは否めない。

どれ買う? 布団クリーナーカタログ 2016

ここでは、今買える大手メーカーの最新&上位モデルを中心にピックアップ。チェックポイントを比較検討して、あなたのライフスタイルにぴったりの1台を見つけてほしい。

「Dyson V6 Mattress」 ダイソン

布団用のツールが付属したコードレス掃除機。定評のあるダイソンならではの強力な吸引力で、布団に付いたハウスダストを集塵。新搭載の高性能なポストモーターフィルターなどにより、0.3ミクロンもの微細な粒子を99.97%以上捕え、部屋の空気よりもきれいな排気を実現しているという。ミニモーターヘッド、コンビネーションノズル、 隙間ノズル、フトンツール、延長ホースが付属し、ハンディークリーナーとして布団以外の掃除にも大いに活躍できる汎用性の高さは大きな魅力といえるだろう。

ダイソン「Dyson V6 Mattress」

サイズ(幅×奥行き×高さ):144×208×399mm、重量:1.63kg、電源:充電式、充電時間:3.5時間(使用時間6〜20分)、集塵方式:サイクロン、ブラシ:電動、布団専用/汎用:汎用、吸引力切替:2段階

「ふとんクリーナー PV-FC100」 日立

布団やソファに潜むハウスダストをブラシで叩いて吸引する「ワイド電動パワフルビーター」を搭載。吸い込み幅約20cm&電動回転ブラシにより、効率よくパワフルに吸引できるのが特徴だ。また、集じん部はサイクロン構造を採用し、吸ったハウスダストと空気を強力に遠心分離。ダストケースにはLED照明が採用されており、吸ったハウスダストが見やすくなっているというユニークな仕組み。ハンドルから手を離すと停止する「エコアイドリング」機能により、お掃除中の“ちょっとほかの用事”にスッと対応できるのが便利。ダストカップは取り外して丸ごと水洗いができるので、お手入れが楽に行えそうだ。

サイズ(幅×奥行き×高さ):332×295×180mm、重量:2.4kg、電源:ケーブル5m、集塵方式:サイクロン、ブラシ:電動、布団専用/汎用:専用、吸引力切替:2段階、その他:約10,000回/分の回転と叩き機能

「ふとんパンチクリーナー VH9201DS」 LGエレクトロニクス

1分間に1か所約4,000回上下振動する半円型のパンチプレートを吸引面の前後に2カ所装備し、このパンチプレートが毎分合計8000回強く小刻みに布団を叩くことで、寝具の繊維に絡んだダニや花粉、ほこりなどを表面に浮かせて除去する。また、本体を乗せるだけで約5分間紫外線を照射して吸込口を除菌する「UV除菌ステーション」が付属(除菌が終わると自動的に充電がスタート)。ない、本製品以外にも、充電式でコードレスタイプの「VH9201DSW」と、コードタイプでUV除菌ステーションが付属しない「VH9201D」もラインアップしている。

サイズ(幅×奥行き×高さ):200×417×267mm、重量:2.1kg、電源:ケーブル5m、集塵方式:フィルター、布団専用/汎用:専用、吸引力切替:なし、その他:吸い込み口UV除菌機能

「MC-DF500G」 パナソニック

紙パック方式の布団専用クリーナー。同社のキャニスター掃除機にも搭載されているY字形状の「ビートブラシ」が毎分約6,000回高速振動し、布団生地のゴミをかき上げながら吸い込み、アレル物質を含むハウスダストを99%以上(同社調べ)除去する。さらに、布団クリーナー用に新開発した「ハウスダスト発見センサー」を搭載。約20 μmの目に見えない微細なハウスダストまで検知し、検出時はLED赤色点灯で教えてくれる。これにより、同社モニター試験では「ハウスダスト発見センサー」非搭載の場合と比べて、ゴミの除去量が約1.5倍向上したという。

サイズ(幅×奥行き×高さ):292×364×172mm、重量:2.0kg、電源:ケーブル5m、集塵方式:紙パック、ブラシ:電動、布団専用/汎用:専用、吸引力切替:なし、その他:ハウスダスト検知機能

「レイコップRS2 RS2-100J」レイコップ

ふとんクリーナーの元祖「レイコップ」の最新スタンダードモデル。布団のハウスダストを効率的に除去する「UV除菌」「たたき」「吸引」のバランスを最適化した特許技術「光クリーンメカニズム」を採用し、ブラシ、叩き、吸引力のバランスを寝具に合わせて設計した「ふとんケアコントロール」を搭載。吸引力を重視してハウスダストを取り除く「敷き布団モ-ド」や、布団の厚みや質感・素材に合わせて吸い付きを抑えてブラシの回転に重点を置いた「掛け布団モ-ド」「羽毛布団モ-ド」の3モードを選べるようになっている。

サイズ(幅×奥行き×高さ):383×434×166mm、重量:2.4kg、電源:ケーブル3.8m、集塵方式:フィルター、ブラシ:電動、布団専用/汎用:専用、吸引力切替:3段階、その他:UV除菌+叩き機能、その他:ケーブル巻取式、消耗品:UVライト(3,180円/税抜)

「レイコップRS RS-300J」 レイコップ

「レイコップ」製品で最も販売台数の多いスタンダードモデルで、吸引力は「標準」と「パワー」の2段階で選択可能。RS2-100に比べ手軽な価格も魅力だ。紫外線を照射してダニを弱らせる「光クリーン」や、寝具の中のダニやハウスダストをたたき出す「パワフルWたたき」、真空吸入モーターの強力吸引と2つのフィルターを通して、空気清浄機並みのクリーンな排気を実現する「クリーン排気」を搭載。また、新たに回転ブラシを搭載し、寝具表面の髪の毛・ペットの毛などの掃除にも対応している。

サイズ(幅×奥行き×高さ):359×431×155mm、重量:2.3kg、電源:ケーブル5m、集塵方式:フィルター、ブラシ:電動、布団専用/汎用:専用専用、吸引切り替え:2段階、その他:UV除菌+叩き機能、その他:ケーブル巻取式、消耗品:UVライト(3,180円/税抜)

「Cornet EC-HX150」 シャープ

吸引モーターの熱を掃除機の底面で循環し、約40度の温風でダニの引き剥がし効果を謳う。プリーツフィルターとAg+ アレルディフェンスフィルターにより、吸い込んだダニのふんや死がいなどのアレル物質を99.99%以上キャッチ。プラズマクラスターの相乗効果で、枕などの気になるニオイも消臭。羽毛布団などのデリケートな寝具に使用できる「デリケートモード」を搭載。吸引パワーとブラシ回数を抑え、低騒音で夜間の掃除にも適する。

サイズ(幅×奥行き×高さ):304×405×254mm、重量:2.4kg、電源:ケーブル5m、集塵方式:サイクロン、ブラシ:電動、布団専用/汎用:専用、吸引力切替:2段階手動/自動、その他:温風機能

「トルネオ ヴイ コードレス VC-CLF1」 東芝

東芝初の充電式コードレス布団クリーナー。リチウムイオン充電池を採用し、約2,000回の繰り返し充電使用が可能。ふとんへの吸い付きを抑えてスイスイ走行できたたき効果も持つ、ワイド幅(吸い込み口約21cm)の吸い込み口が特徴。相乗効果により、布団1枚の掃除にかかる目安時間が約80秒というスピーディーさを実現しているという(同社試験条件による。2m×1mのシングルサイズの敷ふとん片面に対し、秒速約80cmで2往復させた場合)。ほか、すき間ノズルと丸ブラシが付属し、ハンディークリーナーとして部屋の掃除もできる。

サイズ(幅×奥行き×高さ):270×450×210mm、重量:1.8kg、電源:充電式、充電時間:5時間(使用時間 6〜25分)、集塵方式:サイクロン、ブラシ:電動、布団専用/汎用:汎用、吸引力切替:2段階、その他:ハウスダスト検知機能、羽毛モード


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