写真提供:マイナビニュース

写真拡大

「『現代用語の基礎知識』選 2015ユーキャン新語・流行語大賞」選考委員の漫画家・やくみつる氏が1日、東京・帝国ホテルで行われた表彰式に出席し、ノミネートされた言葉が政治的なものに偏っているという批判に対し、「決して政治的な意図がある訳ではない」と反論した。

今回、ノミネートされた50語には、「I am not ABE」「切れ目のない対応」「存立危機事態」「駆けつけ警護」「国民の理解が深まっていない」「レッテル貼り」「テロに屈しない」「早く質問しろよ」「アベ政治を許さない」「戦争法案」「自民党、感じ悪いよね」「シールズ(SEALDs)」「とりま、廃案」といった安保関連法案に絡んだ言葉が集中的に選ばれた。

このほかにも、「一億総活躍社会」など、政治関連の言葉は50語中15語が占めており、選考委員長のジャーナリスト・鳥越俊太郎氏は「今年はやはり政治の季節だったんだな」、選考委員の姜尚中東京大学名誉教授も「今年はある意味で、主役は永田町にいた」と同意した。

やく氏はこうした傾向を受け、流行語大賞の主催者側に、直接批判の声が届いていたことを明らかにした。その上で、「各選考委員は、政治的なスタンスというものは、当然おありになると思います」と認めながら、「選考によって何かを左右するということは決してございません。純粋にその時代を反映した言葉を拾う作業を、むしろ楽しんでいる」と強調。「決して政治的な意図があるわけではない」と、批判に対して反論した。

鳥越氏は、流行語大賞について「日本の社会の現実を映す鏡でもあると思っています」との考えを示し、「丹念に鏡のかけらをかき集めて、1枚の歪みのない現実を映す鏡を作ったつもりでおります」と胸を張る。選考委員の女優・室井滋は「こんなに選考にすんなりいかなかったのは、(自分が選考委員になった5年間で)今年が一番じゃないかなと思います」と苦労を明かした上で、「政治色がとても強かったのは、世の中を映す鏡である訳で、こういう1年だったなと私自身も納得しています」と同調した。

今年の大賞は「トリプルスリー」と「爆買い」が受賞。このほか、ノミネート50語から選ばれたトップ10は「アベ政治を許さない」「安心してください、穿いてますよ。」「一億総活躍社会」「エンブレム」「五郎丸(ポーズ)」「SEALDs」「ドローン」「まいにち、修造!」となっている。

○『現代用語の基礎知識』選 2015ユーキャン新語・流行語大賞トップ10

「アベ政治を許さない」受賞者:澤地久枝(作家)
「安心してください、穿いてますよ。」とにかく明るい安村(お笑い芸人)
「一億総活躍社会」安倍晋三(総理大臣)
「エンブレム」夏野剛(東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会参与)
「五郎丸(ポーズ)」五郎丸歩(ラグビー日本代表)
「SEALDs」奥田愛基(SEALDsメンバー)
「トリプルスリー」柳田悠岐(福岡ソフトバンクホークス)、山田哲人(東京ヤクルトスワローズ)
「ドローン」野波健蔵(千葉大学大学院工学研究科・工学部特別教授)
「爆買い」羅怡文(ラオックス代表取締役社長)
「まいにち、修造!」松岡修造(プロテニスプレーヤー)

●ノミネート50語
「爆買い」「インバウンド」「刀剣女子」「ラブライバー」「アゴクイ」「ドラゲナイ」「プロ彼女」「ラッスンゴレライ」「あったかいんだから」「はい、論破!」「安心してください(穿いてますよ)」「福山ロス(ましゃロス)」「まいにち、修造」「火花」「結果にコミットする」「五郎丸ポーズ」「トリプルスリー」「1億総活躍社会」「エンブレム」「上級国民」「白紙撤回」「I AM KENJI」「I am not ABE」「粛々と」「切れ目のない対応」「存立危機事態」「駆けつけ警護」「国民の理解が深まっていない」「レッテル貼り」「テロに屈しない」「早く質問しろよ」「アベ政治を許さない」「戦争法案」「自民党、感じ悪いよね」「シールズ(SEALDs)」「とりま、廃案」「大阪都構想」「マイナンバー」「下流老人」「チャレンジ」「オワハラ」「スーパームーン」「北陸新幹線」「ドローン」「ミニマリスト」「ルーティン」「モラハラ」「フレネミー」「サードウェーブコーヒー」「おにぎらず」