25日のセリエA第9節、ミラン対サッスオーロの一戦の試合前、ミランのウルトラスが陣取るクルヴァ・スッドの中央は観客がいなかった。サポーターは我慢の限界のようで、激しい抗議に出たのだ。「この困惑の状況からは、誰のこともオレたちは救えない」という横断幕が掲げられた。

アドリアーノ・ガッリアーニ代表取締役に向けた横断幕は、2つ掲げられている。

「コンドルというよりも羽のないハトで、金があろうがなかろうが、もうマーケットを扱えない」
「会長、今年からは、ガラクタどもを買うためにあなたの金を使う者をクビにする理由が1億5000万も増えた」

1億5000万というのは、前日にシルヴィオ・ベルルスコーニ名誉会長が今季ミランに投じたユーロの金額として口にした数字だ。

ガッリアーニ代表取締役に対しては、試合中もウルトラスから退団をうながすチャントが飛んだ。

だが、抗議の対象はガッリアーニ代表取締役だけではない。「月並みな選手たち」という横断幕も掲げられ、さらにはシニシャ・ミハイロビッチ監督にも次のような横断幕が掲げられている。

「口では素晴らしい軍曹だが、ロッカールームとピッチでは何も変えられなかった監督」

スタンドは試合中に部分的に埋められたが、クラブのレジェンドであるフランコ・バレージ氏の背番号6のユニフォームも掲げられ、カルロス・バッカがPKで先制点を決めてからは、次のような皮肉的な横断幕が登場した。

「ゴーーーーール、オレたちはスクデットも獲得するぜ」

なお、試合はその後ミランが追いつかれたものの、ルイス・アドリアーノの決勝点で2-1と勝利している。