野口氏がキーマンの1人に挙げるソフトバンク・千賀滉大【写真:編集部】

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ソフトバンク、ヤクルトの投打のキーマンは?

 ソフトバンクとヤクルトが激突する「SMBC日本シリーズ2015」が24日にいよいよ開幕する。リーグ優勝を果たした両チームがクライマックスシリーズ(CS)を順当に勝ち抜き、実現する“最強対決”。それぞれのチームの投打のキーマンは誰になるのか。

 ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏は「どちらが勝っても4勝3敗での決着」と予想。まずはソフトバンクの「投」のキーマンとして、CSでMVP級の活躍を見せた右腕の名前を挙げる。

「ソフトバンクのピッチャーのキーマンは絶対に千賀です」

 CSでは第1戦で先発・武田の後を継いで2番手で登板。2−2の同点で迎えた5回1死二、三塁の大ピンチだったが、デスパイネ、クルーズを打ち取り、見事に無失点に抑えた。続く6回は3者凡退の快投。流れを引き寄せた。

 さらに、第3戦は2点リードの無死一、二塁で登板。1点は覚悟という場面だったが、クルーズを遊ゴロ併殺、今江は遊ゴロと完璧なリリーフ。8回も3者凡退に抑え、3連勝での突破に大きく貢献した。

 レギュラーシーズンはほとんどを2軍で過ごし、しかも先発だった千賀。ただ、野口氏は「CSの時と同じ使い方を工藤監督はまたしてくると思います」と指摘。「ピンチで2番川端、3番山田、4番畠山に打順が来た時に千賀を出して、あのピッチングをできたら、ソフトバンクの勝ちでしょうね。彼には右打者も左打者も関係ない。むしろ左打者のほうが抑えると思います」と予想した。

 一方、ヤクルトについては「『投』ではありませんが、守る方のキーマンは中村悠平だと思ってます」と言う。

「彼がどれだけ平常心でいつも通りにできるかどうか。日本シリーズは初めてなので、その中で舞い上がって初戦に『どうしよう、どうしよう』となってしまったら、ヤクルトはかなり厳しくなります。中村悠平がどれだけ普通にできるか」

ヤクルトの「打」のキーマンは川端&山田&畠山&バレンティン&雄平ではない?

 日本シリーズはシーズン中とはまったく違う雰囲気になる。選手の精神状態に大きな影響を及ぼすこともあるという。

「日本シリーズの初戦の試合開始が近づいてくると、本当に人は変わりますからね。プレーボールがかかった時に、頭が真っ白になる選手もいるでしょう。それは、やってみないと分からないと思います。ただ、中村にとっていいかもしれないのは、敵地スタートなので、初戦は先にヤクルトが攻撃することです。プレーボールでいきなり自分がサインを出さなくてはいけなくなると、真っ白になる可能性もあります。でも、たとえ攻撃が3者凡退に終わろうと、試合が動き始めてから『よし行くぞ!』となるのはいいかもしれないです」

 成長を続ける若き正捕手のリードが、ソフトバンクの強力打線をどう抑えていくのか。シリーズの行方を大きく左右することになりそうだ。

 また、打者のキーマンについては、ソフトバンクの松田を挙げる。今季、リーグ2位の35本塁打を放ったムードメーカーは、CSではヒット1本に終わり、不安を残した。野口氏は「シーズン中もけっこう振るバッターですけど、CSではそれにも増して振っていた気がする」と指摘。責任感の強い男の「気負い」を心配していた。

「調子が戻っているかどうかですね。内川はCSを見ていると心配ないと思います。そうなると、より(重要なのは)松田ですね。李大浩も悪くない。柳田も怪我明けですけど、彼はいるだけで相手が怖がるので、四球を選んで内川に回せたら、それでいいんです。自分がホームランとかを打って目立つのもいいですけど、短期決戦はそこがいらないですからね」

 松田の状態が戻れば、ソフトバンクが誇る強力打線は完璧な状態に近づく。

 一方、ヤクルトも2番から川端、山田、畠山、バレンティン、雄平と強力な5人が並ぶ驚異の打線を誇る。野口氏は「5人全員が全然駄目だとはならないと思うんです。最低2〜3人は打つと思うんですよ。特に、川端と畠山は心配いらないと思います。川端の天才的な流し打ちは止めろと言われても難しいですからね。山田は徹底マークされる可能性もあるので、これをかいくぐれるか。とにかく全員揃ってだめということはないと思うので、この5人がキーマンではない」と指摘。では、誰が鍵を握るのか。

ソフトバンク松田に対して、ヤクルトのキーマンは「彼は何かを持っている気がする」選手

「この5人の前後です。1番と7番。1番は上田か比屋根のどちらか。相手投手の右左もあるので、おそらく上田を使うと思うんですけど、どれだけ塁に出られるか。7番は大引か今浪が入ってくると思うんですけど、5人が残してしまったランナーをどれだけ返せるか」

 野口氏は「大引(元オリックス、日本ハム)はパ・リーグのチームとの対戦経験が抱負ですしね」と指摘。ただ、DHが使える敵地では「『7番・DH』でユウイチにするという手もありますね」とも言う。

「おそらくバレンティンがDHでしょうけど。ただ、バレンティンを守らせることができれば、『7番・DH』でユウイチも面白いかなと。そうなってくるとユウイチがキーマンかもしれません。バレンティンをDHにしてユウイチを守らすことが出来なければ、上田と比屋根でどちらかを1、9番ということになるでしょう」

 ただ、特に注目しているのは、1番に入る可能性がある比屋根の働きだと、野口氏は強調する。

「彼は何かを持っている気がするんですよ。シーズン中からずっと『ヤクルトが優勝するなら誰がキーマンか?』と聞かれて、比屋根と言ってきたんです。相手の先発はずっと右投手ですけど、日本シリーズでも上田の調子が上がらないようなら、思い切って比屋根にしてもいい気がするんです。いずれにせよ、キーマンは比屋根か上田だと思います」

 キーマンがいつも通り、もしくは期待以上の働きを出来れば、そのチームは大きく勝利に近づく。どちらがシリーズを制するのか。目を離せない試合が続きそうだ。