又吉直樹の「火花」映像化はNetflixを選んだ時点で失敗確定か!?

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 ドラマ「火花」のキャストとして、林遣都、波岡一喜、門脇麦の名前が発表された。ピース・又吉直樹の芥川賞受賞作品を原作とし、動画配信サービスの「Netflix」にて配信される同ドラマは、11月上旬にクランクインの予定。2016年春に全10話を一挙に配信するという。

 動画配信の黒船として9月に日本上陸を果たしたNetflix。同社が日本市場に本腰を入れている象徴としても話題の「火花」だが、IT系のライターは同作品の成否を危惧しているという。

「動画配信サービスは、スマホに慣れている若者にとっては使いやすくて便利ですが、スマホに不慣れな中高年にとっては、かなり敷居が高いのです。一部の対応テレビでも視聴可能ですが、テレビをインターネットに接続する必要があるので、これも中高年には厳しいでしょうね。つまりNetflixでは、ドラマ『火花』を観たい層を取り込むことができないのです」

 ちなみに小説「火花」は、老人会や地域の集まりで「もう読んだ?」と話題になることも多く、読者の多くは中高年だと言われている。もちろん若い読者も少なくないのだが、239万部という部数を根拠に視聴者数を想定してしまうと、中高年がゴソッと抜けてしまうことで期待外れの数字に終わる可能性が高いというのだ。

「しかも、来年春というのも遅すぎますね。来年1月には次の芥川賞が発表されますし、その頃には『火花』の人気も落ち着くはず。書籍の映像化で言えば、『ビリギャル』なんて原作本の発売から映画の公開までわずか5カ月ですよ。『火花』は3月発売で7月には芥川賞受賞ですから、今年中にドラマを放送するべきだったんじゃないでしょうか」(前出・IT系ライター)

 Netflixのような動画配信サービスは、実際に使い始めるとその便利さに離れられなくなるという。だが、その入口にたどり着かないことには意味がないのも事実。どうやらNetflixがブチ上げる火花には、同作品は向いていなかったようだ。

(金田麻有)