一般的にアナログの腕時計というと、丸い文字盤の上を針が円を描くように動いていくものですが、世界には機能性よりもかっこよさや美しさを優先したとしか思えない、ユニークなムーブメントを持つ腕時計が存在します。針が楕円形に動いたり、謎の回転を見せたり、分解と再構築を繰り返したりなど、奇抜すぎる時計のまとめ映像がYouTubeで公開中です。

Une compilation des montres aux plus beaux mouvements - YouTube

まず現れたのはNord Zeitmaschine(ノルド・ツァイトマシーン)の「Variocurve V2」。くるくるとネジを回していくと……



右から左に、針が動き出しました。



40秒の地点にやってくると……



長円型の文字盤をなぞるように、普通の腕時計ではありえない変則的な動きを見せます。なお、Variocurve Watchesの価格は1万4800ドル(約180万円)です。



次の時計は「60」の地点を中心に秒針が振り子のように動いていくのか?と思いきや……



秒針がバレエダンサーのような動きを見せ、まるで漂っているように針穴のない盤面を横断します。



これはMaurice Lacroix(モーリス・ラクロア)が2013年に125本限定で発売した「MASTERPIECE Mysterious Seconds」という時計。販売サイトでは1万3900ドル(170万円)となっていました。



続いて、Jaeger-LeCoultre(ジャガー・ルクルト)の「Master Gyrotourbillon」。世界初の球体トゥールビヨンを搭載した腕時計で、価格は税込みで4305万円です。



親鳥がひな鳥に餌をあげるように動く、美術品のような時計もあります。



親鳥が口移しでひな鳥に餌をあげるように動いたり……



右側の鳥が羽を開いたり卵が割れたりします。まるで絵画のような腕時計はJaquet Droz(ジャケ・ドロー)の「The Bird Repeater Geneva」でした。価格は50万ドル(約6200万円)前後と見られています。



針とともに文字盤自体がゆっくり動いていくのが、ANTOINE PREZIUSO(アントワーヌ・プレジウソ)の「Tourbillon of tourbillons」です。価格は31万8000〜42万スイスフラン(約4000〜5300万円)。



画像からは分かりづらいですが、Cabestan Watches(カベスタン・ウォッチ)の「TRIPLE AXIS TOURBILLON」は文字盤上部のトゥールビヨンがぐるんぐるん回転しています。参考価格は25万スイスフラン(約3200万円)です。



続いてはDevon Timepiecesの「Devon Steampunk Limited Edition」。横2列、斜めに2列に並ぶベルト状の文字盤が動くことで時間を教えてくれます。販売サイトでの価は2万5000ドル(約310万円)でした。



横列の一番左にある文字が時間を、その隣にある斜めの列の文字が分を示すわけです。



続いての時計は真ん中に「3」という数字が浮かんでいます。



いったん文字が分解され……



「4」になりました。メインのケースの横に小さなケースが2つありますが、これらと合わせることで時間が4時32分と分かるわけです。ジュエリーブランドであるHarry Winston(ハリー・ウィンストン)が発売した「Opus Eleven」という腕時計でした。参考価格は33万2800ドル(約4200万円)となっています。



次はまるで星空のようなデザインの時計。これもJaeger-LeCoultreの「Hybris Artistica Duomètre Sphérotourbillon」という時計で、文字盤の左側にあるトゥールビヨンがぐるぐる回転しています。別のカラーのDuometre Spherotourbillonが20万ドル(約2500万円)ほどなので、価格は同程度とみられます。



円を3つ組み合わせたような図形と正方形の歯車が絶妙にかみ合うのがMaurice Lacroixの「MASTERPIECE SQUARE WHEEL」。モデルによって異なりますが、Amazonでの価格は大体5500〜7900ドル(約70万〜100万円)程度です。





SF映画から出てきたようなデザインの腕時計はMB&Fの「HM6 SPACE PIRATE」。文字盤は本体下側にあり、真ん中の機構が秒針を刻んでくれます。価格は23万ドル(約2900万円)。



回転するハートが1分ごとに「LOVE」と表示してくれるMaurice Lacroixの「Power of Love」。参考価格は1万320ドル(約130万円)です。



Christophe Claret(クリストフ・クラーレ)の「Margot」は2時の位置にあるボタンを押すと、花びらがランダムに散っていく仕組み。価格は19万8000〜29万8000スイスフラン(約2500万円〜3800万円)と見られています。



さらに文字盤の下にフランス語で「Un peu(少し)」や「beaucoup(とても)」といった文字を表示してくれるので、花占いのような感じで時計が自分の質問に答えてくれます。



Urwerk(ウルベルク)の「UR-105TA」は文字盤と文字自体が同時に回転することで、時間を表示してくれる仕組み。価格は5万8000〜6万4000スイスフラン(約740〜810万円)程度とのこと。



時計の機構が丸見えなのがVianney Halter(ヴィアネイ・ハルター)の「Deep Space Tourbillon」です。価格は20万ドル(約2500万円)ほど。



横から見るとプラネタリウムのよう。



URWERKの「UR-210」はメタリックなデザインで、中心のトライポッドのうち、黒枠がついているものが現在の時間を、文字盤下側の目盛りが分を表しています。例えば下の画像では9時58分を示していますが、赤い矢印が「60」にまで達すると……



黒い枠が「9」から「10」に移動し、10時0分からスタートするわけです。Chrono24では13万5000ドル(約1690万円)での販売となっていました。



ユニークなデザインなのがDe Bethune(ドゥ・ベトゥーン)の「DB25 Quetzalcoatl」。蛇が頭と尻尾で時間を教えてくれるようになっていました。価格は11万スイスフラン(約1400万円)です。