高校時代の上沢 直之(左)、金子 直登(中)、今年のエース原 嵩(右)

 今回は激戦区の千葉を勝ち抜き、見事、初の甲子園出場を決めた専大松戸。プロ野球で活躍する上沢 直之 投手を排出した他、2011年から5年連続で春季関東大会出場を果たすなど、千葉県をリードする強豪校へ成長を遂げた専大松戸の軌跡と、近年の卒業生を紹介していきたい。

持丸監督の就任で、一挙に変わった専大松戸

 まだ中堅校の立ち位置だった専大松戸を、千葉県をリードする強豪校に変えたのが、2007年冬から就任した持丸 修一監督である。竜ヶ崎一、藤代、常総学院で監督を務め、計7度の甲子園出場に導いた持丸監督の手腕は確かなもので、チームを着実に強化していった。また持丸監督のつながりからか、茨城の中学の選手も専大松戸へ入学することが多くなった。今年のエース・原 嵩も龍ケ崎市立長山中学校出身である。

 そして2009年春。1人の投手の入学によって、専大松戸は大きく変わることとなる。それが上沢 直之 であった。上沢の姿を見た持丸監督は「プロへ行ける投手」とほれ込み、英才教育を施した。また上沢だけではなく、速球派右腕・林田 かずなとの二枚看板で、2年夏(2010年)、2年秋(2010年)にはベスト4、そして3年春(2011年)には関東大会出場を果たすなど、強豪校として着実にレベルアップを果たしていった。そこから専大松戸は2012年以降も春季対関東大会出場を果たすなど、近年の千葉県では群を抜いた実績を残している。

 しかし激戦区の千葉県である。好選手を揃えるも、夏はなかなか勝ち抜くことができなかった。だが専大松戸の近年の戦いを見ていくと、我慢しながら勝つことを覚えていったように感じる。そしてこの夏はその我慢強さが発揮された大会となり、3回戦では市川、4回戦では船橋芝山に苦戦しつつも勝ち上がり、その後迎えた準決勝ではこの春選抜に出場しており夏に強い木更津総合を破ると、決勝では習志野に7回表まで0対3とリードを許す展開だったが、7回裏に一気に7点を入れて逆転に成功。リードを守りきり、初の甲子園出場を決めた。

 専大松戸は毎年好投手、強肩捕手、強打者を育て上げ、選手の能力を引き出す学校として高く評価されていたが、ここに甲子園出場という実績がついたことで、全国クラスの強豪校へ昇華するチャンスを得た。

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[page_break:近年の卒業生]近年の卒業生

 ここで近年の専大松戸の卒業生を紹介していきたい。

■2012年卒・上沢 直之 (北海道日本ハムファイターズ)・林田 かずな(専修大)・大山 星也(白鴎大 野球部卒部)・岩下 和幸(専修大)・重野 雄一郎(専修大)

■2013年卒・栗原 洸(専修大)・神宮 隆太朗(専修大)・永浜 秀紀(専修大)

■2014年卒・高橋 礼(専修大)・金子 弥聖(大正大)・石川 将也(専修大)

■2015年卒・金子 直登(専修大)

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