台湾のデザインスタジオD.LINK Studioが、「SFボードゲーム向け」という乱数発生デバイス Space Roller を発表しました。商品化資金を募ったクラウドファンディングサイト Kickstarterでは、すでに当初目標の7倍を超える約10万ドルの調達に成功しています。



「Space Roller」は樹脂製。16mm角の立方体ボディには各面に1〜6つのドットが刻まれており、ある程度の距離を投げてテーブルなどの面に落とせば、上に向いた面に刻まれたドットの数で乱数が得られます。ぶっちゃけてしまえばいわゆるサイコロですが、SF的なデザインがとてもクール。蓄光塗料が使われており、闇の中でネオンカラーに輝く様が、なにか未来的デバイスに見えなくもありません。

輝きが薄れてきても、自然光もしくはiPhoneのライトで蓄光させれば再び光るようになります。表面は保護コートされており、通常のサイコロとして使う分には問題ないとのこと。

カラーは、ベースが「ブラック」「ホワイト」「ブロンズ」「メタリックグレー」の4種。発光部分が「ネオンブルー」「ネオングリーン」「ネオンオレンジ」の3種。ベースと発光部分の組み合わせで12タイプのバリエーションが存在します。

制作者のDarren氏は台湾在住のデザイナー / SFファン。『スターウォーズ』『ブレードランナー』『マトリックス』『トロン』といったSFに子供の頃から憧れていた氏ですが、大人になってからボードゲーム熱が再燃。様々な種族が未来スポーツ「ドレッドボール」でぶつかりあうミニチュアゲーム『DreadBall』にハマりました。ゲームを遊ぶ内に未来っぽさの不足に気付いた氏は、自分の欲求を満たすために「Space Roller」をデザインしたと語っています。

このところ、ボードゲームを持ち込んで遊べるお店も増えていますので、SF系ゲームをプレイする際にポケットから「Space Roller」を取り出せば注目を集められるかもしれません。現時点では6面体ダイスのみですが、他のタイプのものも構想中とのこと。もしかしたら、ダイスを全てサイバーな「Space Roller」で統一できる日も来るかも知れないということで、まだまだ楽しみなプロジェクトと言えるでしょう。

なお、未来(風)だけではなく実際に新技術を投入したゲーム向けダイスといえば、Bluetoothとモーションセンサ、LEDライトを内蔵したサイコロ兼インタラクティブゲームコントローラ DICE+ が販売されています。

DICE+ は物理的に投げて目を出す点はただのサイコロと同じですが、タブレットやPCのゲームと無線通信することで、サイコロを振って画面の中のキャラを動かしたり、デジタルゲームに欠けた手触りを持ち込めます。また「最低回転角度・投げてから接地までの時間・接地面の傾斜」などを分析したイカサマ防止機能もあり。当初の調達目標を大幅に超える資金を集めたSpace Roller も、新バージョンではぜひ見た目だけではない未来派技術を投入してほしいところです。