湿気が気になる季節。梅雨時に咳や発熱などの症状が出てくる人は、カビが原因で起こる「夏型過敏性肺臓炎」かもしれません。雨の日が続くと押し入れの中やお風呂場など湿気がこもりやすい場所にカビが繁殖します。カビの生える環境と対策、夏型過敏性肺臓炎についてまとめてみました。

カビの繁殖する環境と対策

カビは温度が5℃から、湿度は60%から繁殖が始まり、20℃を超えると繁殖の勢いが増します。当然湿度も温度も高いほど繁殖します。雨が続く時期には特に換気を心がけましょう。ごみや汚れによって繁殖力が強くなるので、掃除は小まめに行ってください。お風呂場は壁や床に石鹸やシャンプーなどが残らないように洗い流します。水滴は拭き取るのが理想ですが、めんどうな時は冷水をまわしかけておくと繁殖が抑えられます。部屋は湿気の溜まりやすい場所に家具や道具を置かないように。エアコンや洗濯機の中も気付いたときに掃除する習慣をつけましょう。

夏型過敏性肺臓炎とは?

夏型過敏性肺臓炎は、トリコスポロン・アサヒやトリコスポロン・ムコイデスというカビを吸いこむことで起こります。エアコンのカビが原因で起こる場合は、5〜10月に顕著な症状が現れます。台所やお風呂場のカビも要注意。カビの胞子を吸いこんで6〜8時間後に咳、痰、発熱が起こります。最初は軽い風邪のような症状ですが、慢性化すると熱は上がらず咳だけ出るようになることもあり、今度はぜんそくと勘違いする人も。

重度になると息切れや呼吸困難など肺炎の症状に変わっていきます。環境を改善したり、症状が起こる場所から離れたりすると、10日程度で症状が出なくなります。毎年同じ時期に同じ症状が出る人は夏型過敏性肺臓炎を疑い、環境を変えたり、医師に相談したりしてみましょう。


writer:松尾真佐代