【不遇の名作】ウルトラマンネクサスって知ってる?
これまでのシリーズとは全く違う路線で、異常なほどシリアスな物語で構成。敵もグロテスクな造形のものが多く、全編重苦しいストーリーで描かれている。これが毎週土曜の朝7時という時間帯のため、当時の子供たちがテレビから離れてしまった。しかし一部のマニアたちの間では非常に高評価を得ている作品である。
まず、このシリーズは主人公が変身をしない。ネタバレをしてしまうと、最終回で最後に一度だけ変身することになる。今回、ウルトラマンとして変身をするのは、第三者の人間であり、その人間も数人いる。これまでの作品には無かった斬新な設定であり、数年後に放送されたアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」でも、これと似ている世界観が描かれている。
そしてこの主人公が所属している防衛チームも、この物語の独特の世界観を作り上げている。通常、防衛チームやビースト(この作品では怪獣をビーストと呼称する)など、非現実的なものは一般的に認知されている存在だった。しかしこのシリーズでは完全に隠蔽されている。
防衛チームの存在は「国家機密」とされ、その存在は国の一部の人間しか知らない。ここが面白いところで、地球の平和を守っている存在がトップシークレットとして扱われ、一般市民たちは物語終盤まで、地球にピンチが迫っていることすら全く気が付いていない。ビーストが現れたとしても、その存在が一般市民に知られてしまう前に撃退、隠密に任務を遂行することが、今回の防衛チームのミッションである。
自分たちに与えられた職務を遂行するのか、人間としての答えを出すのが正解なのか、葛藤に苦しみながら生きていく主人公。他のメンバーも同様のため、防衛チームとは思えないくらいギスギスした人間関係で物語が進行する。地球の平和(国家機密)のためなら、多少の犠牲はいとわず、それがウルトラマンであってもミサイルで攻撃する。この難解なストーリーが当時の子供たちには早すぎ、朝の早い時間帯に見るには内容が重すぎたようだ。
