12日から国内での販売開始された携帯音楽プレイヤー「iPod nano」の新型機種(撮影:吉川忠行)

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アップルコンピュータ日本法人は13日、東京都港区の六本木ヒルズで開いた発表会で、携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」シリーズに、640×480ドットの高解像度で最長100時間分の動画が保存できる新機種を発売すると発表した。従来品より60%明るい2.5インチのカラー液晶画面を搭載し、記憶容量は80ギガバイトで、最長6.5時間の動画再生が可能だ。色は白と黒の2種類で、販売価格は4万2800円。

 12日(日本時間13日未明)に米サンフランシスコで行われた米本社の発表会では、同社の配信サイト「アイチューンズ・ミュージック・ストア」を通じて映画のダウンロード販売を米国で開始すると発表。米娯楽・メディア大手のウォルト・ディズニー社と提携し、傘下のディズニー、ミラマックス、ピクサー、タッチストーンが制作した映画75作品の配信を同日から開始した。価格は旧作が9.99ドル、新作が発売当初1週間までが12.99ドル、それ以降は14.99ドル。来年にも「アイチューンズ」を展開する世界21カ国で同サービスを開始すると計画している。

 「アイチューンズ」は米娯楽ソフト販売でネット小売り大手アマゾン・コムに次いで業界5位につけており、発表会で米本社のスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)は「来年にはアマゾンを抜く」とシェア拡大に意気込みを示した。ディズニー社のボブ・アイガーCEOは「(配信する)メディアを伝統的プラットフォームから次世代のプラットフォームに移行する」と話し、アップルとの提携を歓迎した。

 さらに、ダウンロードした動画を薄型テレビでも見られるようにする接続端末「iTV」(仮称、予定価格299ドル)を来春にも投入すると発表。ジョブズCEOが「これで全体像が完成する」と強調するように、携帯での映画視聴、従来から取り組んできた新型自動車対応に加え、家電対応にも参入することで市場拡大に向けた攻勢を強める。

 そのほか、最長24時間駆動のバッテリーを搭載し、5つのカラーバリエーションを用意した新型「nano(ナノ)」(1万7800円〜2万9800円)と、8立方センチ、重量15グラムでクリップで服に留めて携帯できる新型「iPod shuffle(シャッフル)」(9800円)をそれぞれ発表。「nano」は同日、「shuffle」は10月から発売する。【了】

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