17日から全国公開される「男たちの大和」の完成披露会見に出席した佐藤純彌監督(右端)、中村獅童(右から5人目)、反町隆史(同6人目)、蒼井優(左から3人目)ら出演者。(撮影:宗宮隆浩)

写真拡大

17日から東映系で全国公開される映画『男たちの大和/YAMATO』の完成披露試写会が5日、東京都千代田区の東京国際フォーラムであった。海軍下士官役で主演の反町隆史は、共同記者会見で「平和であることや生きることの重みを一人でも多くの人に分かってほしい。二度とこういう戦争を起こしてはいけない」とメッセージを語った。

 映画は、戦後60年を記念して東映などが製作。太平洋戦争当時、全長263メートルで世界最大といわれた戦艦「大和」の乗組員として、国や家族を守るために戦い、大和とともに海に沈んだ若き海軍下士官や特別年少兵たちの壮絶な生きざまを描いた。広島県尾道市に、艦首などを再現した約190メートルの大和の実物大セットを作り、約3カ月の長期ロケの末に完成した。

 試写会に先立って行われた記者会見には、反町のほか、佐藤純彌(じゅんや)監督に、反町と同じく下士官役で主演の中村獅童、年少兵に心を寄せる同級生役の蒼井優ら10人が出席。佐藤監督は「一つの見方に固執せず他の見方も知ること。それが歴史を知ること」、反町は「戦後60年が一つの節目だと思っていた。これから70年、80年と経てば、戦争を知る方々が少なくなり風化してしまう」、「若い世代の人に見てもらって、未来へ生きていくヒントになれば」と映画への思いを語った。

 その後の舞台あいさつには、この10人のほか、東映の高岩淡会長、製作の角川春樹氏らも加わり、角川氏が「この映画は、作ったというよりも、大和とともに散っていった人たちに作らされた」と振り返った。引き続き、同じ会場で試写会が行われ、4000人が映画の世界に浸った。

 戦艦大和は1937年、広島県呉海軍工廠で極秘裏に起工、真珠湾攻撃の行われた1941年12月8日に最後の公式試運転を終え、同16日に完成した。3基9門の口径46センチの主砲を備えるなど、開発当時は最新鋭の戦艦だった。だが、戦況は戦艦中心から飛行機戦の時代に変わり、さほど実戦を経験することなく、1945年4月7日、米軍艦載機の集中攻撃を受け、東シナ海に沈んだ。【了】

■関連動画ニュース
12月6日動画ニュース

■関連リンク
『男たちの大和』オフィシャル・ウェブサイト