世界中に約500万人のユーザーを抱える、インターネット上で巨大な仮想世界「セカンドライフ」

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今まで「セカンドライフ」というと、リタイアした会社員が心機一転して始める"第二の人生"の意味で使われることがほとんどだったが、最近急速に変わり始めているのをご存知だろうか?

インターネット上で「セカンドライフ」といえば、それは間違いなく米リンデン・ラボ社が運営する"仮想世界"を意味する。プレイヤーはアバターと呼ばれる自分の分身をつくり、世界中の人とチャットしたり、広大なセカンドライフ内を探検したり、さまざまなコミュニケーションが楽しめるオンラインの仮想空間だ。

その規模はゲームなどといった域を超え、"ビジネスチャンスが眠る場所"として世界中の注目を集めている。仮想世界への企業参入が相次ぎ、日本でもトヨタが行っている車の試乗サービスや、mixiが開設した新卒採用のバーチャルオフィスなど、話題に事欠かない。ユーザーの数も加速度的に増し、こうしている今も世界中で毎日1万人以上のプレイヤーが増加しているといわれている。

なぜ、セカンドライフがこれほどまで流行るのか?
どこに熱中させる魅力があるのだろうか?

その謎を探るため、セカンドライフ未体験の筆者が重い腰を上げ、潜入調査を決意した。やるならば夢は大きく、セカンドライフに一軒家を建て、ささやかながらもビジネスを始め、文字通り"第二の人生"を楽しんでみるつもりだ。そんな輝かしい生活の最初の一歩として、セカンドライフを始める前に知っておきたい"基礎知識"を紹介しよう。

■セカンドライフで遊ぶにはお金がかかるの?

セカンドライフのアカウント取得には、無料と有料の2通りがある。有料のプレミアムアカウントは、土地の所有権付きだったり、毎月一定額の"リンデン・ドル"が支給されるなどのメリットがあるが、まずどんなものか体験してみたい人は、無料のベーシックアカウントで充分だ。
写真:英語版セカンドライフのサイトからユーザー登録できる。

アカウントの登録後、専用ソフトをインストールする。ソフトも無料でダウンロードでき、対応するOSはWindows、Mac、Linuxの3種類。英語版しかないのはちょっと……と思っていたのだが、ソフトの「Preferences...」から言語を「日本語」に変更し、ソフトを再起動すると、メニューの大部分を日本語化することができる※1。β版のため怪しい日本語も多々あるが、英語版よりも格段に使いやすいのは言うまでもない。
※1:日本語表示には「Ariel Unicode」フォントが必須だ。Officeが入っているPCなら、ほぼ間違いなく入っている。
写真:専用ソフトを日本語表示設定にする。

■買い物は専用通貨"リンデン・ドル"で

セカンドライフ内では"リンデン・ドル"と呼ばれる専用の通貨が使われ、実際のUSドルと換金が可能だ。リアル世界と同じように、リンデン・ドルで土地や島を買って家を建てたり、自分がデザインした服やグッズなどの"3Dアイテム"に値段をつけて自由に売買ができる。実際、セカンドライフ内でビジネスを立ち上げ、日本円にして約1億円の富を築いた人もいるから驚きだ。

セカンドライフに存在するコンテンツは、リンデン・ラボ社が用意したものもあるが、その大半はユーザーがつくりあげたものだ。アイテムをつくるツールが標準装備され、プレイヤーのやる気と想像力さえあれば、ゲーム内で自由に好きなものを生み出すことができる。さらに"リンデンスクリプト"を使えば、発射できる武器や乗り物など、高度なツールも作成でき、カスタマイズの高さや自由度は天下一品だ。

■初めての"セカンドライフ"はどこからスタートする?

セカンドライフにログインして、一番最初に降り立つ島が「オリエンテーション島」だ。ここで操作方法を一通り学んだあと、いざ"セカンドライフ探検"となる。とはいえ、突然、広大な世界にポツンと一人置いてけぼりにされては、「次は何をすればいいの?」と戸惑う人も多いはずだ。

さらに、セカンドライフは世界中から人が集まっているため、共通語はもちろん英語。度胸や語学に自信がある人はいいが、筆者のように"ノミの心臓を"自負する者としては、いきなり外国人から話しかけられてはドギマギして精神衛生上よくない。まずはセカンドライフの世界に慣れるまで、日本人が集まるスポットにいるのが無難だろう。

お勧めは、日本人が多く集まる「桃源郷(Togenkyo)」や、京都情緒あふれる町並みが楽しめる「リトル京都(NAGAYA)」。そのほか、メイド喫茶もある「秋葉(Akiba)」も一度訪れてほしいところである。これらの地域は日本人居住区となっており、すれ違う人々の会話も日本語でほっとできる。ここでセカンドライフの空気に慣れたあと、広大な世界を探検したり、3Dアイテムを創造したりするのがいいだろう。
写真:風光明媚なNAGAYAで、一足早く花見を満喫することもできる。
写真:JR御徒町の看板まで発見……。

ちなみに場所の移動は、徒歩、乗り物を使う、空を飛ぶ(スーパーマン!)、テレポート(超能力者!)などがある。さすが仮想世界の移動は大胆だ。筆者が気に入ったのは、空を飛んでの移動。滑空する姿は、さながらスーパーマンかウルトラマンのようだ。
写真:颯爽と空を飛んで移動する。気分サイコーだ。

■次回はセカンドライフ"名所旧跡探訪の旅"へ

日本語版セカンドライフの登場を今春に控え、リリースを心待ちにしている人も多いと思う。だが、英語版ソフトも日本語化できる上、日本人居住区なら日本語での会話がデフォルトだ。言葉の壁は思った以上に低く、首を長くして日本語版を待つくらいなら、英語版ですぐに始めることをお勧めする(英語版からやってた優越感にひたれる特典つき)。

まだほんの少ししか体験してはいないが、仮想世界を探検したり、友達づくりにいそしんだり、3Dアイテムをつくって売買に励んだり、どうやらセカンドライフは自分が気の向くままに楽しめる場所らしい。これって、ニンテンドーDSの人気ゲーム「おいでよ どうぶつの森」にどこか似ている気がする。あの面白さに加え、換金可能な通貨や、現実に存在する企業のサービスが受けられ、一攫千金も夢でないとしら、セカンドライフが人気を呼ぶのもなんとなく得心がいく。

第一回目の今回は、セカンドライフの入り口を紹介したが、次回はもっとセカンドライフの奥に分け入り、一度は訪れてみたい"有名スポット"や"名所"を紹介していこうと思う。そしてゆくゆくは、一戸建て計画である。次回をお楽しみに。


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編集部:南郷 あかり
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