80年代に大ブレイクした人気モデルの後継機「レーサーミニ四駆 ダッシュ1号・皇帝プレミアム」(1080円)

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かつて一世を風靡した懐かしの「ミニ四駆」が再び大ブレイク中!1980〜90年代にミニ四駆ブームを経験した30代前後を中心に、愛好者が増えているという。全国大会では約2万人の参加者のうち、なんと20歳以上が8割を占めるとか。都内では今年3月にミニ四駆で遊べるバーが開店し、夜な夜なファンが集まる秘密基地となっている模様。そこで今回は、「オトナの趣味」としての地位を確立しつつある“ミニ四駆”の魅力を改めて解剖!ブームの背景や大人を引き付ける理由に迫ってみた。

【写真を見る】タミヤ社製のミニ四駆。洗練されたデザインやフォルムが輝きを放つ

ミニ四駆プラモデルメーカーのタミヤが1982年に世へ送り出した。1台600円からと手を出しやすい価格と、「速さ」を求めて“自分なりの改造ができること”が魅力だ。モーターやタイヤなどの部品の数は約400種類以上。言うまでもなく、走らせるコースに合った部品を理屈で選べて、おまけに経済力もある大人のほうがミニ四駆の醍醐味を堪能できるのだ。

現在、大人にブームがきているきっかけは、2012年に13年ぶりに復活したタミヤ公認の全国大会である「ジャパンカップ」だ。大人でも参加できる「オープンクラス」が新設されたため、かつてドハマリした30代前後のユーザーがこぞって参加。今年は2013年を上回る約2万5000人の参加者が集まったという。

また、ブームを後押しするかのように、大人向けの漫画も登場している。「となりのヤングジャンプ」(集英社刊)で連載中の「二ツ星駆動力学研究所」の存在も見逃せない。全力でミニ四駆で遊ぶ社会人たちの日常を描いた同作は、序盤からマニアックな会話が繰り広げられるものの、個性的な登場人物のドタバタ劇が中心のため、初心者でも読みやすい。読んでいるうちにいつの間にかミニ四駆の世界に引き込まれる大人が続出中なのだ。

さらに進化する性能も魅力の一つだ。マシンの重心バランス向上のため、モーターの位置を後方から真ん中に移動させた「MSシャーシ」や、マスダンパーなどの衝撃吸収パーツが開発され、複雑なコースでも安定した走りを実現できるようになった。他にも、速さ重視のパーツや整備性を優先した機能など、あらゆるユーザーのこだわりに応えられるような進化を遂げている。ボディも「エンペラー」や「アバンテ」などの人気シリーズから「くまもん」バージョンまで、多種多様に展開中。経験者ならずとも、所有欲を刺激されること請け合いだ。

とはいえ「子供向けのおもちゃ」だったはずのミニ四駆に、なぜ大人がハマってしまうのか?その答えを探るべく、今年3月に東京・高円寺にオープンしたミニ四駆バー「Hideaway Garage」に潜入。料金システムは「2時間2000円で飲み放題、走らせ放題(延長は30分500円)」。フロアの大半を巨大サーキットが占める店内ではミニ四駆や各種パーツを販売しており、オーナーからアドバイスをもらえるため、初心者でも手ぶらで行けるのが嬉しいところ。

「あー!」「ぐあっ!」と、店内では数分おきに男性客の野太い悲鳴が響く。なぜならば、立体的でカーブも多いサーキットを完走できず、ミニ四駆が吹っ飛んでコースアウトしてしまうからだ。つまり、スピードアップと安定感を両立させることが改良のポイントとなる。ボディを削って軽量化したり、ブレーキスポンジや衝撃吸収のベアリングをつけたりと、トライ&エラーを重ねてベストの状態に仕上げていく感覚は完全に「オトナの世界」。隅々までこだわり抜かれたオーナーの愛車自慢を聞いているだけでも、ミニ四駆の奥深い世界に引き込まれてしまうはずだ。オーナーによると、連日開店の18時から深夜まで30代前後のサラリーマンが訪れるという。

ちなみに、同店のように気軽に競技に参加できるタミヤの加盟店「ミニ四駆ステーション」の店舗数は、全国に約400店と2012年から2倍以上に増加している。最寄りの店舗に足を運んで、是非ともレーサー気分を味わってみてほしい。【東京ウォーカー/記事提供=週刊ジョージア】

※記事の内容は、無料スマホマガジン「週刊ジョージア」から一部抜粋、再構成したものです