ドコモの通話定額への刺客はウィルコムだった 元祖通話定額キャリアが投入したヤケクソサービスの衝撃度

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NTTドコモが6月1日よりサービス開始する新料金プラン、完全通話定額は携帯市場に衝撃をもたらした。5月15日より受付開始したサービス開始前の予約数は、わずか半月で100万を突破したことでも完全通話定額の注目度の高さが伺える。

そのような中、ドコモに続いてPHS大手のウィルコムが5月30日に衝撃的なサービスを発表した。その名も「スーパー誰とでも定額」だ。5月30日に発表した「スーパー誰とでも定額」は6月1日よりサービスインという発表から導入までの早さも異例だが、その内容は、NTTドコモの完全通話定額に劣らぬほど衝撃的だ。

●通話もメールもパケットも1,500円(税別)で使い放題へ
そのサービスが発表された5月30日夕方には、プランのプレスリリースを見た人はSNS上で「ネタだろ?」「ついにヤケクソか」「企業テロプランかな」など、驚きと戸惑いつぶやきが、あがったほどだ。

1,500円という価格設定もそうだが、内容もびっくりなのである。まずは、下図をみて欲しい。



携帯・PHS・固定電話を問わず国内通話を時間、回数問わず無料
Eメール無料
パケット通信料無料


にわかには信じがたいが、「スーパー誰とでも定額」を契約することで全て定額化してしまうことに他ならないのだ。

先行するNTTドコモが導入した「カケホーダイプラン」は定額料のみでスマートフォン2,700円(税別、以下全て税別)、フィーチャーフォン2,200円だ。
通話こそ定額制となるが、パケット定額を導入する場合は別途パケット定額制を契約する必要がある。

●ウィルコムのそれはプランではなくオプション扱い
ちなみに、「スーパー誰とでも定額」はそれ単体では契約できない。オプション扱いとなっているため、別途基本プランも必要なのだ。
契約できる基本プランは以下のとおり

・新ウィルコム定額プランS(月額1,381円)
・ウィルコム定額プラン(月額2,762円)
・パス専用プラン(月額467円 2台目以降専用プラン)
・新ウィルコム定額プランGS(月額1,381円)
・ウィルコム定額プランW(月額3,696円)

となる。
したがって、最も安い「新ウィルコム定額プランS」と「スーパー誰とでも定額」を組み合わせると月額2,881円で通信、通話が無料となる。



さまざまな通話、通信が無料となる最強のオプションかもしれない


それでもNTTドコモの新料金プランと比較してもパケット通信が無料になる分ウィルコムのほうが割安となるだろう。

●いいことだけではない、忘れてはいけない注意点が多い
基本プランとオプション込み月額2,881円という手頃な金額で通話無料、パケット通信無料の最強とも言えるプランだが、弱点も存在する。
通話もパケット通信もPHS通信を利用した場合のみが無料なのだ。
PHSのパケット通信は最大400kbpsとなり、パソコン専用サイトなど重いデータの受信には時間がかかる可能性がある。

また3Gで通話を行った場合には30秒あたり20円の通話料金が発生する。さらにPHSでの通話であっても着信転送サービスを行った際は通話料が発生することも忘れてはならない。また、PHS通信であってもEメールはウィルコム以外のプロバイダを設定する場合も有料となる。

少々注意点が多い気がするが、安く使うためには、多少のことは仕方ないのだろう。

広いカバーエリア、VoLTEによる高音質通話、LTEによる高速データ通信など高品質なサービスを提供するドコモに対して、昔ながらのPHS通信による低速通信ながら格安で完全定額制を導入してきたウィルコム。

生活圏が主に都市部、メールでのやりとりを中心にし、通話もよく行うユーザーにとってお得なサービスであることは間違いないだろう。

「スーパー誰とでも定額」は、6月中は新規契約及び機種変更と同時にのみ契約可能だが、7月からは対象プランを契約中のユーザーにも拡大し、いつでも契約することが可能となる。


布施 繁樹