カリアリ当局は23日に予定されていたセリエＡ第４節、カリアリ対ローマの一戦を無観客試合とすることに決定した。だが、カリアリのチェッリーノ・会長はこれに反発。スタジアムは稼働可能だとして、チケットを持つサポーターに来場をうながした。

これを受け、当局は試合の延期を決定。県庁やイタリアサッカー連盟（FIGC）のジャンカルロ・アベーテ会長、レーガのマウリツィオ・ベレッタ会長は、チェッリーノ会長を批判している。

だが、チェッリーノ会長は「カリアリでの21年間、偽造パスポートやドーピング、審判問題、脱税や粉飾決算などで、私が告訴されたことはない。サッカーについて恥じなければいけないのは私か？　それともほかの人間か？」と主張している。

だが今回は、カリアリに新スタジアムを与えようというチェッリーノ会長の戦いを常に支えてきた者も驚いているようだ。サポーターの中には、戦力的な面（「デ・ロッシとトッティ、オスバルドがいないローマと対戦する機会はいつまた訪れる？」）を指摘する者もいれば、「スタジアムのことはチェッリーノが正しいかもしれないが、こうやって法に反することで間違っているとされてしまう」と、イメージを懸念する声もある。

それでも、チェッリーノ会長は『ANSA』で、「ウルトラスだけになることを避けるため、また年間シート保有者が入れるという確信があって、スタジアムに来ることを呼びかけた。そうすることで、カオスを事実上避けたんだ」と強調している。

しかし、チェッリーノ会長は大きな危険にさらされている。カリアリ警察は検察に対し、来場をうながしたカリアリの発表に関する調書を送る予定だ。また、すでに遠征先から戻ったローマは、「予定どおりの試合開催に影響した状況の責任は、客観的であっても０−３の敗戦で処罰されるべきだと考える」と、無条件勝利を求めた。

レーガのベレッタ会長は「理解不能な振る舞いだ。イタリアサッカーにとって、またもひどい１ページとなった」とチェッリーノ会長への怒りをあらわに。ローマの要望については、「その可能性を排除することはできない」と述べた。FIGCのアベーテ会長も「チェッリーノの行動は受け入れられない。イタリアサッカー全体のイメージに対する損害だ」と怒りを表している。