【MLB】前半戦10勝のダルビッシュ。全米の最新評価は?
オールスターゲームも終わり、メジャーリーグはいよいよ後半戦に突入します。惜しくもオールスターでダルビッシュ有投手の登板機会はありませんでしたが、後半戦はどんな活躍を見せてくれるのか、非常に気になるところでしょう。というわけで今回は、メジャー1年目でオールスターメンバーに選ばれた、ダルビッシュ投手の全米での最新評価について紹介したいと思います。
先日、アメリカスポーツ専門テレビ局『ESPN』が、サイ・ヤング賞の『受賞予想ランキング』を発表しました。これは、『ESPN』がサイ・ヤング・ポイントという独自の基準で採点するシステムで、前半戦を終えた段階での各投手を評価したものです。ア・リーグの受賞予想ランキングは、このように発表されました。
(ロサンゼルス・エンゼルス/10勝1敗・防御率1.96/先発)
2位 クリス・セール
(シカゴ・ホワイトソックス/10勝2敗・防御率2.19/先発)
3位 デビッド・プライス
(タンパベイ・レイズ/11勝4敗・防御率2.82/先発)
4位 マット・ハリソン
(テキサス・レンジャーズ/11勝4敗・防御率3.10/先発)
5位 フェルナンド・ロドニー
(タンパベイ・レイズ/1勝2敗25セーブ・防御率0.93/抑え)
6位 ジャスティン・バーランダー
(デトロイト・タイガース/9勝5敗・防御率2.58/先発)
7位 ジム・ジョンソン
(ボルチモア・オリオールズ /1勝0敗26セーブ・防御率1.21/抑え)
8位 C.J.ウィルソン
(ロサンゼルス・エンゼルス/9勝5敗・防御率2.43/先発)
9位 ラファエル・ソリアーノ
(ニューヨーク・ヤンキース/2勝0敗20セーブ・防御率1.60/抑え)
10位 ダルビッシュ有
(テキサス・レンジャーズ/10勝5敗・防御率3.59/先発)
信頼の高い『ESPN』の採点で、なんとダルビッシュ投手はア・リーグ投手陣の上位十傑に入りました。そのうちリリーフ投手が3人いるので、先発投手ではベスト7入り。新人に対する評価としては、非常に高いものと言えるでしょう。
では、ダルビッシュ投手の何が評価されているか。アメリカでは、以下の3つの点が評価されています。
まずは、『奪三振』の数。前半戦を終えた段階で、ダルビッシュ投手はフェリックス・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ)、バーランダー、マックス・シャーザー(タイガース)に次いで、ア・リーグ4位の117奪三振を記録しています。これは、シーズン200奪三振を超えるペースです。『200奪三振』というのは一流奪三振投手のバロメーターですから、この奪三振の数は非常に高く評価されています。
さらにすごいのが『三振奪取率』です。シャーザーに次ぐリーグ2位の1試合平均10.26の奪三振率は、驚きに値する数字です。特にダルビッシュは前半戦で最速97マイル(時速約156キロ)をマークするなど、平均91〜94マイル(時速約146〜151キロ)のストレートを常時記録しています。メジャーのファンは豪腕投手が好きですから、ストレートで勝負できる本格派のダルビッシュ投手は、その点でも高く評価されていると思います。
次に高評価となったポイントは、『被安打が少ないこと』です。102イニング3分の2を投げて、わずか87安打しか打たれていません。1試合平均で換算すると、7.63本です。これはリーグで6番目に少ない数字となります。さらに、レンジャーズの本拠地(レンジャーズ・ボールパーク・イン・アーリントン)はホームランが出やすい球場として有名ですが、それにもかかわらず被本塁打はたったの9本。ヒットやホームランを打たれないのは一流ピッチャーの証ですので、それもサイ・ヤング賞予想でランキング上位に入った理由でしょう。