香港『太陽報』によると、東郷和彦・元外務省欧亜局長はこのほど、尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡る日中の争いが、戦争に発展する可能性もあると示唆した。中国網日本語版(チャイナネット)は6日、「日本はすでに中国に対する諜報戦を開始しており、日中の海上戦に向け情報収集を盛んに行っている。日本の戦争に向けた積極的な構えは、当時の甲午戦争(日清戦争)の開戦前を彷彿とさせる」と報じた。以下は同記事より。

 日本の軍事雑誌『世界の艦船』はこのほど中国海軍の実力をまとめ、中国の現役艦の性能と数量を詳細に分析した。さらに配備前の訓練用空母「ワリャーグ」を全面的に紹介し、日本による情報収集能力の高さを示した。公開されている資料ですらこれほど詳細であることから、防衛省が中国の軍事情報をどこまで収集できるているかは、まさに未知数である。

 日本は中国に対して諜報戦を開始しており、中国の軍事・政治・経済に関する情報が、絶えず防衛省に集まっている。日本はさらにスパイを新疆ウイグル自治区などに派遣し、違法な測量を行い、中国の核兵器に関する情報を収集している。日本の情報治安部門は中国海軍に業務の重点を置き、手段を選ばず諜報活動を実施している。

 日本は日清戦争の開戦前にも、中国で諜報活動を大々的に展開していた。当時27歳だった荒尾精・陸軍中尉は1886年、諜報網を形成するため中国に渡った。荒尾精は薬の行商を偽り、北京、長沙、重慶、天津、福州などに拠点を築き、中国主要都市を結ぶ諜報網を形成した。さらにこれらの都市を足がかりとし、中国の農村部に活動範囲を拡大した。

 一部の日本人スパイは施工中の威海衛の砲台と栄成湾の付近に身を潜め、日本軍が山東半島を上陸地点とするための下準備を行った。また一部のスパイは北洋水師(北洋艦隊)の軍械局の内部に潜入し、艦隊のすべての情報を把握していた。

 日本は再びこの使い古された方法により、スパイを派遣し中国を偵察し、戦争に向け準備を整えている。野田首相は自衛隊を訪問し訓示した際、「戦争を忘れるのは危険だ」と述べたが、これは戦争動員令であると言える。日中両国が120年の時を隔てて、再び開戦する可能性が浮上している。(編集担当:米原裕子)