トレンディードラマのヒットを連発してきたフジテレビ大多亮執行役員クリエイティブ事業局長が、次期社長の有力候補として浮上している。

 大多氏は6月末の株主総会で、二段飛びで常務に昇格する。同時にフジの親会社フジ・メディア・ホールディングス(フジMHD)の取締役にも選ばれた。
 「大多氏はいま53歳だが、あの若さでフジMHDの取締役に入るのは異例。この人事を見ても、傘下のフジテレビ社長に一歩近づいたといえます」(フジ関係者)

 大多氏は30代のとき『東京ラブストーリー』『101回目のプロポーズ』などのドラマをメガヒットさせ、一時代を築いた。'09年からはテレビ番組のネット配信などのデジタル事業を手がけるセクションのトップ。部下が450人もいる大所帯だ。

 それにしても、なぜ大多氏の名前が浮上したのか。
 「フジMHD筆頭株主の東宝が、あまりにも長い現経営陣の居座りにいい顔をしていないからですよ」(テレビ業界事情通)

 確かに長過ぎる。'88年に社長に就任した日枝久会長は、オーナーでもないのに会長の期間も含めると24年間君臨している。そのため、株主総会では毎回、株主から退陣勧告が出ているが、今回も続投の意向を明らかにしている。
 昨年6月に社長に就いた東宝の島谷能成氏は、フジの次期社長にはもっと若い人物を望んでおり、具体的には50歳代が適任としている。そうなると、現時点では大多次期常務が近いことになる。
 ちなみに日枝会長は74歳と高齢。会長を支える豊田皓社長も66歳、太田英昭次期副社長も66歳とトップ3人は老化しつつある。

 では、次は大多氏ですんなりいくかといえば、そうでもない。強いライバルがいるのだ。同時にフジ常務に昇格する56歳の亀山千広映画事業局長である。映画『踊る大捜査線』で数百億の稼ぎをもたらした人物で、今回は大多氏と同じようにフジMHDにも取締役として入った。
 2人がフジMHDに“入閣”すると同時に、5人の役員の退任も決まった。もはやフジ次期社長レースは、この2人に絞られたといえる。
 「これまでも大多、亀山両氏は出世レースを繰り広げてきた。2人の頭文字をとって“OK牧場の闘い”といわれたものです。出世のスピードから、大多氏の方が社長になる確率が高い。まだ若いことや東宝社長が推していることが、その要因です」(前出・フジ関係者)

 ただ大多さん、過去に鈴木保奈美との不倫が騒がれただけに、女問題だけは気をつけた方がよさそうだ。