4月29日に群馬県藤岡市の関越自動車道で7人が死亡した高速ツアーバス事故について、中国人ブロガー「蒋豊」さんがブログでコメントしている。

 一夜にして全国に名前が知れ渡った河野化山容疑者についてブロガーは、「彼が注目されたのは、中国と関係があったからでもある」と書き、元中国籍の中国残留孤児の子弟であると示した。

 その上で「今回の事故は残留孤児二世たちの置かれた局面を明確に表している。言葉の問題で日本社会に馴染めず、政府からの経済援助もない。日本社会には純血主義という考え方があるため、残留孤児の子弟たちは日常的に差別され、進学や就職でも不平等な競争を強いられる」と指摘。

 さらに「河野化山のような中高年ともなると、老後の問題も心配だったはず。次の世代に苦労をかけまいと、彼は命がけで働いたのだろう。そして極度の疲労に身体が耐え切れなくなり、事故が起きたのだ」と説明した。全体的に、河野容疑者を擁護するトーンだ。

 矛先はバス会社に向かう。「河野化山に同情する人もいるかもしれないが、バス会社のやったことは犯罪そのものだ。バス会社は河野容疑者のような臨時の社員に対し何の安全教育も行っておらず、その上36もの法律違反があったという。そして事故の責任をすべて河野容疑者にかぶせようとしていた。河野化山は過失の犯罪だが、バス会社は故意に違法行為を行っていた」。

 さらに、バス会社を管理する立場にある政府の問題も指摘。「日本政府の管理が不適切だったのだ。政府は『観光立国』などと言ってさまざまな政策を行っているが、経済規模を拡大しようとしているだけで、旅行会社に対する管理がおろそかになっていた。安売りのバス会社が雑草のように大量発生し、悪性の競争を産んだのである」と記述。

 文末では「旅行市場の無秩序ぶりというのは、今の日本社会の無秩序ぶりをそのまま表していると言えるだろう。河野化山の身の上に起きた悲劇というのは、すなわち日本社会の悲劇と言えるだろう」と結んでいた。(編集担当:西山正)