左から高木ヘッド、中畑監督、ファン代表・岡。新生・横浜DeNAベイスターズの首脳会談、そこで発表された選手起用の方針とは?

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 2012年シーズンの日本プロ野球で注目といえば、新生・横浜DeNAベイスターズだ。

 かつて、1980年代にスーパーカートリオ、そして1990年代後期にはマシンガン打線と大魔神で旋風を起こした「横浜」だが、21世紀に入ってからはAクラスがわずか1回と低迷。その間、監督は5人も交代している。

 まさに暗黒期ともいえるチームを任された中畑清新監督と高木豊新ヘッドコーチが、現在発売中の『週刊プレイボーイ』で、ベイスターズの熱狂的ファンである広告クリエイティブ・ディレクターの岡康道氏(TUGBOAT代表)と座談会を行なっている。

 まず最初にチームの現状分析を問われた中畑監督は、選手の起用方針についてこう熱く語っている。

「誰がどう言おうと、4年連続最下位なわけだよ。そしたらやるべきことは『全部』ってこと。そんななかで俺がまず決めてるのは熱い選手を使うってことです」

 現役時代、“ゼッコーチョー男”と呼ばれ、常に全力プレーをモットーとしてきた中畑監督ならではの考えだ。

「俺の信条は『シンプル・イズ・ザ・ベスト』。では、それは野球においては何かと聞かれたら『怠慢プレーは許さない』ってこと。これだけ。不平や理由があろうと、俺は言い訳は認めない。そして一生懸命やれば必ず使う」(中畑監督)

 この方針には岡氏も期待を込める。

「大洋の帽子を物心つく頃からかぶってきたファンの立場から言うと、今年、中畑監督と高木ヘッドになって急に強くなるなんて、正直ファンは誰も思ってないと思う。けど、『負け方が違ってきてほしい』とは期待してるんです。序盤に大量点を取られて、粘りなく負ける試合が多いからつまらなくて(苦笑)」

 ただ、もちろん“一生懸命”の精神だけではチームは強くならない。そこを論理的に支えるのが高木ヘッドだ。

「僕が考える低迷理由のひとつは、この4年間に監督が3人もいたことだと思うんです。なので今は、選手がどこを向いたらいいかわかんなくなってる。それと『これだけのことをやったら絶対勝てる』ということを首脳陣が与えてもこなかった。だからそれを与えてやるのが必要。それができれば、必ず上にいけますよ」

 高木ヘッドが具体的に掲げるのが「スピード」。盗塁数の増加、守備範囲の広い外野など足の速さに加え、初球からガンガン打っていくことで試合のテンポを上げることを目指すという。

 中畑監督が伝える熱い気持ちと、高木ヘッドが説くスピード野球で、横浜は生まれ変わるか。

(写真/井上太郎)

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