■ 海外移籍の可能性

セレッソ大阪に所属しているMF乾貴士が、今夏に、海外のクラブに移籍する可能性が高くなってきた。昨オフの時点で、「今夏に海外移籍する可能性が高い。」と報道されていたが、引き続いて、いくつかのクラブから興味を持たれている模様である。

もともと、C大阪というクラブは、海外移籍に寛大なクラブであり、MF乾自身も海外移籍に乗り気である。契約期間内での移籍なので、移籍金も入ってくる見込みで、クラブ側も、今夏にMF乾が抜けることを想定した補強を行っている。複数のクラブが興味を持っているということで、望ましいオファーが届けば、何も障害はなくなるため、今オフにMF乾が海外のクラブに移籍する可能性はかなり高いといえる。

■ MF乾の代役は誰になるか?

ACLでベスト8に進んでいるC大阪にとっては、中心選手であり、看板選手でもあるMF乾が抜けるのは、戦力的にも、営業的にも痛いが、将来のMF乾の移籍を想定してチームを作ってきているので、MF香川が抜けたときと同様に、致命的なダメージにはならない。

考えられるのは、FWホドリゴ・ピンパォンが2列目に下がって、FW小松か、FW永井龍が1トップに入る形と、FWホドリゴ・ピンパォンの1トップはそのままで、MF倉田、MF清武、MFキム・ボギョンが3シャドーに入るという形であるが、ノーマルな2トップに変更することも十分に考えられる。C大阪にとっては、きちんと、移籍金が取れるのであれば、悪くない話といえる。

■ MF乾の長所

海外移籍に関しては「移籍のタイミング」と「移籍先」が重要になってくるが、「移籍のタイミング」としては、悪くはないといえる。年齢は23歳なので、若すぎるわけでもなく、年を取りすぎているわけでもない。Jリーグでやり残したことが無いわけではないが、さらなる成長を遂げるためには、ここの時期で環境を変えるというのは、悪くない。

C大阪でのキャリアを振り返ってみると、MF乾は、2008年夏にC大阪にレンタルで移籍してきたが、当初は、MF香川のバックアッパーとみられていたが、目覚ましい成長を遂げて、レギュラーポジションを奪取。MF香川とMF乾のコンビが、C大阪の目玉となって、J1昇格とJ1での躍進に大きく貢献した。

野洲高校時代から並外れたテクニシャンとして有名で、高校2年の時に全国制覇も成し遂げたが、移籍当初は、波が大きくて、ほとんど守備もせず、ドリブルでボールを持ったときだけ威力を発揮する「天才肌の選手」だったが、J2で試合経験を積むことで、「運動量」や「守備意識」が改善されていって、現代的なアタッカーとなった。

もし、ドイツに移籍するとなると、MF香川と比較されるのは間違いないところであるが、「守備意識」、「オフ・ザ・ボールの動き」に関しては、MF香川と比べても「遜色ないレベル」であり、「運動量」に関しては、MF香川よりも上である。移籍当初のプレーを思い出してみると、よくもここまで動くようになったと感心させられるほどである。

■ MF乾の短所