ヨルダン戦に比べて格段によくなった本田圭佑(Photo by Tsutomu KISHIMOTO)

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シリア戦を一言でいうなら、B級エンターテイメント。試合はそれなりに盛り上がったが、決して上品ではなかった。その原因の6割はシリアにあったが、日本も4割絡んでいたわけで、つまり日本の戦いも決して褒められたものではなかった。
逆サイドのないサッカー。僕にはそう見えた。だから単調。変化をつけることができない。美しさもない。パスワークで勝負したいはずなのに展開力がない。ボールも相手も散らせなかった。

というわけで採点です。

GK(1)川島 5 退場シーン以外も、いつもより冷静さに欠けた。

DF(4)今野 5.5 存在感が薄い。攻撃の際の繋ぎにもっと顔を出すべき。

DF(22)吉田 5.5 ドタバタ劇の中に紛れ込んでしまった。

DF(5)長友 6 見せ場はなかったが、俊敏さは見せつけた。

DF(6)内田 5.5 初戦よりも積極的だったが、格上感は示せず。もう一息。爆発力が欲しい。

MF(7)遠藤 5 試合の流れをコントロールできていなかった。パスも総じて短く、逆も取れていなかった。高くないレベルの中に埋没していた。コンディションに問題ありか。

MF(17)長谷部 6.5 先制点はイージーゴールとはいえ、遠藤との差を見た気がする。常に逆サイドを意識した、よりスケールの大きなプレイを望みたい。

MF(8)松井 6.5 初戦より数段良かった。出場時間の長さがその証拠。後半のロスタイムまでピッチに立っていたのはいつ以来か。

MF(18)本田圭7 マンオブザマッチ。特に見事だったのは、先制点に繋がる右からの折り返し。縦突破も含め、プレイに迫力と安定感があった。

MF(10)香川 4.5 シリアを含めた過去の4試合、良いプレイができずにいる。特に目立つのはポジショニングの悪さ。ザッケローニは「開く」ことを求めたと言うが、香川は気がつけばボール欲しさに真ん中に入り込み、周囲との関係性の中で空回りした。ドルトムントでの活躍が嘘のような不出来。

FW(11)前田 5.5 第1戦同様、切れ、シャープさに欠けた。キックもヘディングも、僅かに芯を外した。1トップ下の本田に比べると、身体の強さという点で劣る。
※ 交替選手

MF(9)岡崎 6 見る度に少しずつではあるが、安定感が増している。現時点では交替の一番手。

GK(21)西川 6 急遽出場も、無難にプレイ。

MF(13)細貝 採点不可能

※ 監督 ザッケローニ 5.5 逆サイドのないサッカー。サイドチェンジのないサッカーにどれほど満足しているのか。美しさに欠けるばかりか非効率。攻撃サッカーを実践する上で不可欠なアイテムが、いまの日本には欠けている。監督の指示が行き届いていない。僕にはそう見える。

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