アンドレ・キムさん死去、後継者不在でブランドはどうなる?

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韓国ファッション界の父、デザイナーのアンドレ・キムさん(本名キム・ボンナム)が12日午後、ソウル市内の病院で肺炎により死去した。75歳だった。

アンドレさんは、パリで韓国人初のファッションショーを開くなど、世界を股にかけて活躍。韓国の伝統衣装と西洋の華やかなファッションを融合させた独特な世界観で、あのマイケル・ジャクソンも愛用していたという。また、アンドレさん自身も、一度みたら忘れられないほど強烈なオーラを放っていたことから、韓国ではキャラクターとしても愛されていた。

そんなアンドレさんの死去により、韓国ではアンドレさんが築いた財産の行方や、ブランドの今後について注目が集まっている。

韓国メディアによると、アンドレさんが所有していた不動産は、推定で数百億ウォン(数十億円)以上。ソウル市江南区新沙洞に土地と自身のブティック2店舗が入ったビルのほか、ソウル市狎鴎亭洞にマンションを所有していた。ブランド「アンドレ・キム」の年間売り上げについても、業界関係者は少なくとも1000億ウォン(約100億円)以上はあるとしている。

これらの行方が焦点となっている訳だが、韓国メディアは遺産については全て1982年に養子にした息子ジュンドさん(30)に渡るものと推察。しかし、年間売り上げが1000億ウォン以上あるブランド「アンドレ・キム」については、今後問題が生じるのではないかとみているようだ。

アンドレさんは生前、後継者に悩んでいたそうで、昨年3月のインタビューでも「あと10年はもっと制作活動に専念できると思う」「その後で後継者を考えたい」とコメントしていた。息子のジュンドさんは経営だけを継ぎ、ファッション面での後継者になる可能性は低く、ジュンドさんの妻は「アンドレ・キム」の元デザイナーだが、アンドレさんがデザイナーは外部の人間を望んでいたことから、具体的な後継者は決まっていなかった。ブランド「アンドレ・キム」の後継者が不在となれば、この先ブランドの存続が難しくなるのは当然のことだ。

独特な髪型とメイクで私たちに強烈な印象を残したアンドレ・キムさんだが、あの独特な世界観のあるブランドも一緒に消えてしまうのだろうか。だとしたら、とても残念である。


参照:[単独]故アンドレ・キム不動産の遺産300億ウォン台 - イートゥデイ
参照:アンドレ・キム「千億台ファッション王国」後継者は誰? - マネートゥデイ

(文:林由美)

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