マーク・ジェイコブス、トップデザイナーゆえの不安

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米ファッションデザイナーのマーク・ジェイコブス(Marc Jacobs)は、次々と繰り出す自分の新しいコレクションが、以前発表したものに見劣りしないか、たびたび不安に駆られてしまうという。それだけでなく、自分が流行の最先端にいられなくなるのではないかということも心配に思っているらしい。今は、以前にくらべると幸せを感じることができ、成功を素直に受け入れられるようになってきたようだが、それでもまだ、いつかすべてに終わりがきてしまうのではないかと不安に感じる瞬間があるという。

「これまでと変わらず悩んでいるよ。精神カウンセラーのところに週に1回通っているし、相変わらず感情の起伏も激しいんだ。ショーの前日の夜になると、座りこんで『もしショーが失敗したら? もし人生がダメになってホームレスになってしまったら?』って考えこんでしまうこともある。小さなことを大げさに考えることにかけては誰にも負けないよ」とジェイコブスは語る。
「あそこにあるソファーに、(アーティストの)ジョン・カリン(John Currin)と座っていたら、彼が『何考えてるんだ?』って話しかけてきたんだ。『ぜんぜん分からない』って答えると、彼は自分が16回も描き直した笑顔について語るのさ。今では僕も自分のことをある程度分かるようになってきたから、こういう神経症は人間らしいってことだと思っているよ。だから今、僕は黄色に魅力を感じてしまうんだろうな。ポジティブな色だし、楽天的なチョイスだと思うからね」

ジェイコブスは、自身がクリエイティブ・ディレクターをつとめるルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)の新作コレクションを、とても誇りに思っている。新作ではこれまでにないアプローチを試みているので、目にする人たちは驚くことになるだろうとも考えている。

ジェイコブスは業界の関係者を感心させることの大切さとともに、一般の人たちにも魅力を感じてもらえればと願っている。今回のキャンペーンには、スーパーモデルのクリスティー・ターリントン(Christy Turlington)、カレン・エルソン(Karen Elson)、ナタリア・ヴォディアノヴァ(Natalia Vodianova)らが出演する。「試着室にいる彼女たちは、本当にゴージャスさ」とジェイコブスは英The Financial Times紙で語っている。「このシーズンで僕がやりたかったのは、まさにこういうこと。シンプルで、流行に走り過ぎることなく、ゴージャスさを追求するんだ。ごく普通の人たちが気に入ってくれるような服だよ」

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