より力を発揮するために、練習は少なくする。これが、マンチェスター・ユナイテッドFWウェイン・ルーニーが絶好調を維持している秘訣だ。ルーニーはイタリアサッカーにとって天敵と言えるだろう。彼はヨーロッパで20ゴールを記録しているが、“お得意さん”はローマとミランだったからだ。

マンUのフェノーメノ(怪物)は、20ゴールのうち、イタリア勢を相手にその半分を決めている。ミランには6ゴール。今季の2試合でそれぞれドッピエッタ(1試合2得点)を記録したほか、2006-07シーズンにマンUが3−2で勝利した際も、ドッピエッタを決めた。

次に、ローマ相手には4ゴール。06-07シーズンの準々決勝で対戦した際、ローマはホームで2−1と勝利しながら、オールド・トラフォードで1−7と大敗を喫した。ルーニーはこのとき、それぞれの試合でゴールネットを揺らしている。さらに、07-08シーズンのグループリーグで再びローマと対戦した際も、それぞれホームとアウェーで得点を記録している。

そして、今の彼はヘディングでもゴールを決めるようになっている(ミラン戦で決めた4得点のうち、3ゴールは頭によるもの。今季は30ゴールを挙げているが、そのうち10得点はヘディング)。彼自身によると、武器となっているのはスキンヘッドだそうだ。

ルーニーは11日、ワールドカップトロフィーのツアーのためにロンドンを訪れると、300人の子供たちの前で、「それが、僕にこれほどヘディングでのゴールを量産させてくれているんだ。ボールに違う効果を与えてくれるからね。もちろん、ヘディングをたくさん練習したけど。その成果が出てきているね」と冗談を飛ばした。ただ実際には、クリスティアーノ・ロナウドがレアル・マドリーへ移籍したことも、ルーニーのブレイクに“貢献”している。

もちろん、このペースを続ければ(21試合で21ゴール)、C・ロナウドが07-08シーズンに残した42ゴールという記録も近く塗り替えることになるだろう。ルーニーは「その記録にたどり着きたいね。重要なタイトルを獲得するのと同じように、本当に素晴らしいこととなるだろう。今年は僕のベストシーズンだ。たくさんのゴールを決め、楽しんでいる。このまま続けられることを願っているよ」と語った。

そして、それを実現するために、彼は当初に話していた方法、つまり力を発揮するために練習を減らすということを実戦している。「今はいつも練習しているわけじゃない。普段はできるだけハードにトレーニングしているんだけどね。でも、それはひざのせいじゃないよ。むしろ、今年はたくさんの試合に出ているから、練習でも抑えなければいけないんだ。僕も少し年寄りになった(10月で25歳)。少し賢くもなったし、それがベストだと思っているんだ」。