ミランとのチャンピオンズリーグ決勝トーナメント１回戦ファーストレグで、２ゴールを挙げたマンチェスター・ユナイテッドFWウェイン・ルーニー。もはやアレックス・ファーガソン監督を驚かせることはない同選手だが、指揮官は次のように自己批判をしている。

「昨シーズン、私はルーニーを間違ったポジションで使っていたと思う。だが今は、彼の力を知っているし、どこで彼がベストを発揮できるかも知っている。まさに今、私はそうしているんだ。私は常に、ルーニーが継続的なパフォーマンスを見せなければいけないワールドクラスのストライカーだと言ってきた。ここまでの彼が25ゴールを決めているのも偶然じゃない。ヨーロッパでの戦いに大きく懸かっているが、あと14、15試合はあるから、ルーニーはただの偉大な選手だけでなく、偉大なフィニッシャーにもなれるはずだよ」

一方、ファーガソン監督がサン・シーロでのミラン戦で狼狽させられたのは、スタジアムの雰囲気だ。現在のサッカー界で最も経験豊富な指揮官である彼だが、「15分間は本当にショックを受けていた。スタジアムの雰囲気は本当に素晴らしいものだったからだ。それと、ミランがゴールを決めたときのうるささが一緒になって、私と選手たちをナーバスにさせた。それは確かだね」と、サン・シーロの雰囲気に苛立っていたことを認めている。

ファーガソン監督がナーバスだったことを知っているのは、可愛そうなDFジョニー・エヴァンスだろう。ポール・スコールズのラッキーな同点弾が決まった際、ロナウジーニョの先制点におけるディフェンス陣のミスについて、彼はファーガソン監督からスラングつきで激怒されたからだ。そのシーンについて、ファーガソン監督は「彼にはただ優しく助言しただけさ。まあ実際は、バランスがとれていなかった守備陣全体に怒っていた。だがエヴァンスが不運だったのは、あの瞬間で私に最も近かったのが彼だということだね」と振り返っている。

一方で、マンＵはサポーターとの問題を解決できていない。サポーターたちはオーナーのグレイザー一族によるクラブ運営にますます怒りを見せており、デイヴィッド・ジル代表取締役がいない(CLミラン戦のため)のをいいことに、同代表取締役の家の前で抗議活動を行った。そのため、『ガーディアン』によると、ジル代表取締役への警護が強められるようだ。彼に対する怒りの文句が家の壁に書かれた1998年１月の事態が再び起こるのを避けるためである。