ユヴェントスはアルベルト・ザッケローニ監督を招へいしてから、まだ白星がない。早く勝利を取り戻したいところであるが、フロントは来シーズンに向けた準備も進めていることだろう。チーロ・フェッラーラ前監督を解任した際、ジャン=クロード・ブラン会長が言っていたように、25人の選手を入れ替えることはできない。ただ、この時期に将来に向けて有効な選手とそうでない選手を確認しておく必要がある。

まず、GKジャンルイジ・ブッフォンの残留は確実だろう。また、イングランドのクラブが獲得に動いているとされるDFジョルジョ・キエッリーニも間違いないはずだ。他クラブからの関心がどうであれ、ディフェンスリーダーを簡単に手放すことはない。同様にMFモモ・シソコとMFクラウディオ・マルキージオの残留も問題ないだろう。これから先、ふたりがユヴェントスの中盤を引っ張っていくはずだ。

DFニコラ・ネグロッターリエはやや年齢が気になるところであるが、役割などを考えるとチームの利益となる。同じようにMFクリスティアン・ポウルセンも、来シーズンのポストが確約されていると見ていい。そのほか、DFパオロ・デ・チェーリエ、DFズネデク・グリゲラ、MFハサン・サリハミジッチも残留確実だろう。

今シーズン、インパクトを残すことができていないMFジエゴについては、クラブが移籍金の価値がある選手と確信している。ただ、これからよりユヴェントスに慣れなければいけないことは確かだろう。FWヴィンチェンツォ・イアクインタも市場にいるが、クラブは有用な彼を手放すつもりがない様子だ。キャプテンのFWアレッサンドロ・デル・ピエーロについては、あと1年の契約が残っている。彼に関しては、自分で出ていくタイミングを決めることができるだろう。

微妙なラインにいるのがまず、DFマルティン・カセレスだ。クラブは同選手の権利をバルセロナから買い取りたいと思っているが、その取引を成立させるためには1100万ユーロ(約13億5000万円)が必要になる。MFフェリペ・メロは、新監督の構想次第だろうか。来シーズンからチームを率いる指揮官が、彼のポジションを必要とするか否かで、状況は変わってくる。MFセバスティアン・ジョヴィンコは決断のときが迫っている。チームはこれまで、彼に対する本当の信頼を示していない。再び1年を棒に振るのかどうかは彼の決断次第だ。

その他の選手は、放出候補と考えられる。FWアマウリ、DFジョナタン・ゼビナ、MFマウロ・カモラネージ、FWダヴィド・トレゼゲの4人は、現在の契約が2011年までとなっている。また、DFファビオ・カンナヴァーロについては、クラブが次のシーズンの契約を考えていないようだ。今シーズン加入したDFファビオ・グロッソは、今シーズンのワーストDFに挙げられている。FWミケーレ・パオルッチやMFチアゴ、DFクリスティアン・モリナーロのように、レンタル移籍で放出して、そのまま戻ってこないということが考えられるだろう。