ペア結成2年目で頂点に立った尾崎睦(写真右)と草野歩ペア
8月30日(日)、台風接近で時より降る雨の中、お台場海浜公園にて、『ファイテンJBVツアー2009第4戦東京オープン』最終日の男女3位決定戦と決勝戦が行われた。

 男子3位決定戦は、畑信也(グランディア)・山本辰生(フリー)ペアと、井上真弥・仲矢靖央(ともにteam Sand Block)ペアの対戦が行われ、2-0(21-15、21-15)で畑・山本ペアが勝利。女子3位決定戦では、田中姿子・鈴木洋美(ともにフリー)ペアと山田寿子(FOVA)・保立沙織(フリー)ペアが対戦し、2-0(21-17、21-15)で田中・鈴木ペアが表彰台を確保した。

 女子決勝戦は結成2年目で初の決勝進出を決めた尾崎睦・草野歩(ともに湘南ベルマーレ)ペアと決勝戦の常連でもあるベテラン、浦田聖子(MDI)・楠原千秋(フリー)の試合が行われた。試合開始直後から草野選手のコースを狙ったパワフルなサーブを起点に4連続ポイントを奪うと終始リードを守り、第1セットを奪取した。第2セット、第1セットの勢いそのままに尾崎・草野ペアがリードをするが中盤以降、浦田・楠原ペアのサーブが有効的に決まり5点差を追いつくと、そのまま一気に引き離し12-21で取り返しフルセットへと持ち込んだ。最終の第3セットは、一進一退の息詰まる戦いになるが、最後は浦田選手のサーブがネットにかかり、15-13でゲームセット。尾崎・草野ペアが薄氷の戦いを制し、初優勝を飾った。

「(決勝進出が初めてで)当日の段取りが分からず、ちょっと緊張した」という尾崎選手と「全然緊張せずに平常心でプレーできたし、相手を冷静に見れた」という草野選手だったが、先週のジャパンレディースの3位決定戦で同年代の西堀・浅尾ペアとのをフルセットの激戦を勝ち切ってから、心にも余裕ができるようになったというように2人は、お互いの持ち味と欠点をそれぞれに補い合いながら、ベテラン相手にも自分たちのプレーをしてみせた。結成2年目での決勝進出も女子では初めての快挙であった。

 男子決勝は、白鳥勝浩(湘南ベルマーレ)・朝日健太郎(CHINTAI)ペアと、西村晃一(WINDS)・長谷川徳海(フリー)ペアの対戦。西村選手の現在のパートナーである今井選手が怪我のため急遽造られた今回の西村・長谷川ペアだが、ベテランの西村選手が若い長谷川選手をリードし今大会決勝まで駒を進めた。第1セットは、両チームとも歓声が上がるほどファンをも魅了する好レシーブからポイントを決め、序盤は一進一退の展開。その中で、西村・長谷川ペアがレシーブの名手である白鳥選手を徹底的にサーブで狙う作戦に出る。この策がはまり、一時は朝日・白鳥ペアからリードを奪い優勢に立ったが、このピンチを救ったのが朝日選手のブロックであった。熊本出身の朝日選手にちなんで“阿蘇山ブロック”と名づけられているpプレーが、見事に爆発し逆転。21―17でもぎ取ると、第2セットは立て直した朝日・白鳥ペアが王者の貫録を見せつけ21―10で圧倒。ツアー負けなしの4勝目を挙げた。決勝では狙われてしまった白鳥選手だったが、「久しぶりに狙われて楽しかった」と試合巧者は冷静に試合を振り返った。

 いよいよツアー最終戦となる第5戦岡山オープンは今週末に行われる。女子の4強は混沌としているが、男子は朝日・白鳥ペア完全優勝なるか注目される。

写真・文/胡 多巻

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