国連の職員を殺害した罪に問われていた男に対して、3月24日、裁判所は損害賠償としてメスのラクダ100頭を被害者の家族に差し出すことを命じた。


男は、今年の1月6日、国連世界食糧計画(WFP)で働いていたイブラハム・フセイン氏を銃で殺害した罪で起訴されていた。

裁判は、ソマリア南部にあるバードフボと呼ばれる町で行なわれた。
この町はイスラム系武装勢力シャバブの支配下にあり、「シャリア」と呼ばれるイスラムの厳しい戒律や、イスラム法を採用した公開裁判を実施している。

5日間にわたる裁判で、男は有罪、刑は被害者の家族が死刑か損害賠償のどちらかを選ぶことだった。結果、100頭のメスラクダを差し出すという損害賠償で決着した。

審議委員によると、「今回の損害賠償の対象となったメスラクダは、1頭1000万ソマリア・シリングの価値があり、100頭でおよそ4万5千USドル(日本円約440万円)になるので、損害賠償としては申し分ない」
と述べている。

ソマリアでは、1000万人とも言われる国民のうち、3分の1もの人々が人動的支援を必要としている。そんな中で支援活動者が頻繁に狙われ、しかもラクダで埋め合わせされてしまうのでは支援者もその家族も納得がいかないのではないだろうか。

(編集部:近藤仁美/From South Africa)

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