坂本竜馬は日本初の貿易商社「亀山社中」を長崎に設立した。その頃、近くに我が国で西洋料理店の先駆けといわれる「良林亭」が開業している。
現代の平成20年12月26日、長崎市の西洋料理人、坂本洋司さん(62)が「良林亭」の日誌を元に当時のメニューの再現に成功した。

2010年NHK大河ドラマ「龍馬伝」の放送を前に、舞台の一つとなる長崎市では着々と準備が進む。
今も残る「亀山社中跡」の一般公開が再開されるのもそのひとつだ。そして、同市で西洋料理人をしている坂本洋司さんは当時その近くにあった洋食屋「良林亭(りょうりんてい)」に目をつけた。
ブーツを履いたり、香水をつけたりととにかく目新しいものを好んだ竜馬は、西洋料理にも関心を示したのは間違いない。
坂本さんは当時のメニューを再現すれば、竜馬が食べたであろう料理を体験することができると考えたのだ。

「良林亭」は文久3年(1863)草野丈吉(じょうきち)が開業した西洋料理専門店で、日本でも先駆となるものだ。
彼は、18歳からオランダ人相手にボーイなどをしており、オランダ人と住みながら料理を学んだ。「良林亭」は本格派西洋料理で話題となり、やがて明治元年には繁華街馬町へと進出して「自由亭」と改称した。
グラント前米大統領も訪れたほど評価は高かった。明治20年には廃業しているが、その建物は現在もグラバー園に移築され保存されている。

坂本さんは、草野丈吉が明治12年にイタリア皇族に出した料理名を書いた日誌を元に料理を再現した。
そのメニューは、ひき肉コロッケ「フライコローツキ」や鶏を使ったシチュー「チキンシチーウビンズー」などで計10品である。
これから、「龍馬伝」で長崎が西洋文化の入り口だったことが再認識されるのは間違いない。
坂本さんは長崎が西洋料理発祥の地であることをアピールするためにも、今回再現したメニューを観光客にも提供する予定だという。

長崎で竜馬が愛用した料亭といえば「竜馬がつけた刀傷」が残る花月(当時の引田屋)が有名だが、新たに「竜馬がコロッケを食べた店」として「良林亭」が加わりそうだ。
(編集部:真紀和泉)

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【参照】
2008/12/27付 西日本新聞朝刊