21日、フジテレビ系列で「人志松本のすべらない話 ザ・ゴールデン」が放送された。すべらない話は放送されるたびに視聴率は15%を越え、番組の模様を収めたDVDは売れに売れてついに累計販売数180万本を突破した超人気番組。昨夜もまた、芸人たちのすべらない話が私たちを大いに楽しませてくれた。

 昨夜のMVS(Most Valuable すべらない話)に選ばれたのは、小籔千豊(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)の「合コン」。大まかにいえば、吉本新喜劇の老人といってもいいほどの大先輩が合コンについてきて困った、という話だ。非常におもしろく、まさにすべらない話であったことに間違いはないが、小籔が使っていた言葉が気になった。それは『しらこい』だ。

 しらこいとは、関西圏の方言で白々しいという意味だそうだ。徳島周辺ではずるいという意味で使うこともあるようだが、話の流れからすると白々しいがしっくりくる。恥ずかしながら私はこの言葉を知らなかったため、色々と調べてみたのだが、同じ疑問を抱えた視聴者がちらほらいたようだ。『すべらない しらこい』などで検索するとよくわかる。

 日本の笑いは大阪が本場とされ、関東よりも関西のほうが優勢とされている。それは芸人のおもしろさといった問題ではなく、笑いに触れる機会や笑いに関する情報量の多さという意味でだ。関西では一般人もボケたりつっこんだりするというし、日本の笑いの中心点が首都・東京よりも西に寄っていることは疑う余地がない。

 まして小籔は大阪出身の新喜劇俳優、コテコテの関西芸人だ。そんな彼の中で『しらこい』はごく当たり前の言葉であり、自然と口から出たものであろう。方言を方言と意識せず使うことは日常生活でもままある。目くじらを立てるほどのことではないだろうが、一部の視聴者を置き去りにしてしまったことは確かだ。

 おもしろい話なのに、意味のわからない部分がある。なんともったいないことか……と思ったのは2回目まで。その後も『しらこい』が何度となく登場し、くり返されるたびになんとなく響きだけでおもしろく感じられてしまった。関西弁だとおもしろく感じられる関西弁マジックが働いたのだろうか。

 ちなみに、この話にも出てきて多くの芸人が使う『いきる』とは、格好をつけることだそうだ。方言がブームになっていると言われて久しいが、こういったところから徐々に広まっていくものなのかもしれない。

(編集部 三浦ヨーコ)


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