お笑い芸人に限ったことではないが、ブログの炎上が相次いでいる。ネットでは炎上そのものがニュースになることも珍しくなく、日々ランキングをにぎわせているようだ。芸人のブログはどうして炎上するのか?考えてみた。

 その1、悪ふざけ。「よゐこ」有野晋哉(松竹芸能)の“シンナー”発言などがこれにあたる。芸人とはある意味悪ふざけをするのが仕事とも言えるのに、これは少々気の毒な気もする。笑いは時に悲しみや怒りを内包するものであって、その部分で笑いを取ることもある。例えば、笑いを取るために誰かを『アホか』とイジることもそうだといえるだろう。悪ふざけに対する炎上は、このイジりに対し『アホとはなんですか!』と怒るようなものだ。

 その2、プライベート。週刊誌などのスクープにより私生活が注目されてブログの内容とは無関係に発生するのが特徴だ。「オリエンタルラジオ」(吉本興業)中田敦彦の交際宣言でなぜか今、相方である藤森慎吾のブログがやや荒れている。女性からの告発を受けた「ジャリズム」山下しげのり(吉本興業)のブログが閉鎖に追い込まれたこともあった。プライベートのことで文句を言われる筋合いもないだろうに。

 その3、本音。川田亜子さんについて辛口に述べた「電撃ネットワーク」南部虎弾(クラフトワーク)のブログ炎上が記憶に新しい。「キングコング」西野亮廣(吉本興業)の2ちゃんねる批判をはじめとした数度の炎上もすべて本音の吐露によるものだ。自分のブログですら本音を言えないなんて、さぞ窮屈なことだろう。

 炎上を起こす人物は、芸人の行き過ぎたファン、芸人のアンチ、芸人がブログで触れた対象のファン、といったあたりが考えられる。ファンは『応援してたのにがっかり』、アンチは『もともと嫌いだった』、対象のファンは『謝れ!』というのが大体の意見だと思うが、ここでふと疑問が湧き起こる。ファンはともかく、アンチや対象のファンは、それほど芸人のブログを見ているのか?ということだ。

 アンチは嫌いな芸人を陥れるために炎上の素を常に探している、という考え方もできる。が、ブログを常にチェックしているなんて、それはもうアンチではなくただのファンではないだろうか。嫌いな物事にそれほど熱意を持って取り組めるとは思えない。また、対象のファン、例えば川田亜子さんのファンはどうやって南部のブログにたどり着いたのか。接点がまるでないように思えるのだが。実はブログ炎上専門のスタッフが暗躍していたり……ないか。1炎上500円1コメ50円で雇われていたり……ないね。

 8日、「トータルテンボス」藤田憲右(吉本興業)は、自身のブログでオリラジ藤森から炎上の“おすそ分け”があったことを明かしている。藤森がブログのことで藤田に相談したら『荒れるだけいいだろ!』とコメントが少ないことを嘆いていたとのことで、『(藤田が)コメント所望してるみたいです!』と記載。ものの見事に藤田のブログのコメントが増えた。それほど荒れたコメントはなかったものの、こういったやり取りは実に芸人らしい。

 また、9日にはキンコン西野がブログでこう語っている。『ブログが炎上してニュースになるのをボクはたまらなくおもしろがっているんだ』。炎上狙いで書いているのではないとした上での発言だ。西野は炎上したことで誰かにイジってもらえ、笑ってもらえればそれでいいと言う。なにが起こっても笑いに変える、芸人とは常にこうあって欲しい。

(編集部 三浦ヨーコ)


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