間もなく開幕を迎えるユーロ2008。開幕式が行われるスイスの隣、フランスでもメディアがこぞってユーロの話題をとりあげ、数々の“ユーロ本”が書店の店頭に並んでいる。

 その中で話題になっているのが、フランス最大のスポーツ紙「レキップ」の編集長、ジョフロワ・ガレティエの著書『EURO 2008, c'est joué d'avance』(ユーロ2008、すでに勝負あり)だ。

 著者は先のW杯で、ブラジルの準々決勝での敗退、イタリアの優勝をズバリ的中させている。

 この著作がユニークなのは、選手の力量、チームの戦術といった純粋にスポーツ的な側面からではなく、各国の“力”を数学、歴史、地政学、精神分析、文化人類学のデータを駆使して、ユーモアを交えて多角的に分析した点だ。読者は推理小説を読んでいるようなスリルを味わうことができると評されている。

 それによると、イタリアは“死のC組”を勝ち抜けることができず、グループリーグを突破したフランスも準々決勝でロシアに敗れてしまう。そのロシアを決勝で破って栄冠を手にするのはドイツ、というシナリオだ。

 ガレティエ編集長の予測が見事的中するかどうかを知るには、6月29日まで待たねばならない。