――1年3カ月ぶりの試合が近づいてきました。

「ハードなトレーニングを素晴らしいトレーニング・パートナーと行っているから、万全だよ」

――デンマーク出身のMMAファイターは、まだ少ないですが、マーティンは何をきっかけにMMAを始めるようになったのですか。

「僕はオーフスという小さな街、デンマークでは二番目に大きな街だと思うけど――で生また。MMAは今でも知られていないようなところさ。タイボクシングとボクシングを始め、その後、プロのムエタイの試合も経験した。同時にサブミッション・レスリングもやるようになったんだ。当時はシューターズMMAの支部に在籍していたんだ」

――シューターズMMAとは、フィリピンで日本の近藤有巳選手と戦ったこともあるスウェーデンのオーガスト・ワレンが主宰する北欧でも有力な格闘技グループですね。

「そうそう、よく知っているね。スウェーデンの本部で彼に習ったこともあるし、ワレンがデンマークに来て指導してくれたこともある。まず、オープンハンドのアマチュア・シュートファイティングを1戦経験し、シューターズも時代の流れに則してレギュレーションを変更したから、次の試合からはオープンフィンガー・グローブをつけて戦うようになったんだ。

めちゃくちゃ機能性の悪いグローブでね(笑)。シンガード(すね当て)をつけて、パウンドがない。そういうアマチュア・ファイトを10試合戦った。マイルドMMAって感じかな。でも、キャリアのスタートとしては凄く良かったと思っている。米国では、アマチュアでもほとんどプロと同じルールで戦っているじゃないか。ただ、ファイトマネーが貰えないだけで(笑)。8人トーナメントもあったし、色々な経験をアマチュアでさせてもらったよ。当時の仲間でプロになり、今も活躍している選手っていないなぁ。一時期、ノルウェーのトーマス・ヒッテンがプロとして活躍し、ヨアキム・ハンセンたちとジムもやっていたんだけどね」

――それだけ、北欧でプロMMAファイターになることは大変だということですね。

「そうだね、プロの試合を経験しても、それで食べていけるわけじゃないしね」

――マーティンのプロのデビュー後もそうだったわけですね。

「プロになったのは2003年。コペンハーゲンで行われたヴァイキング・ファイトにパウンド有りのプロMMAを初めて経験した。当然、ファイトマネーで生活できるような環境にはなかったよ。その後、ワレンが始めたヨーロピアン・バーリトゥードで試合もした。この頃にデンマークのミケンタ・ジムで練習していたマイク・パイルと会ったんだ」

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