「疲れている人は、心が癒される映画」と小泉今日子

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『てれすこ』という謎の生物をめぐって、ご存知の弥次喜多コンビと品川の売れっ子花魁(おいらん)が繰り広げる、笑いと涙の珍道中を描いた「やじきた道中 てれすこ」が11月10日(土)より、全国ロードショーとなる。その完成披露試写会が10月31日、恵比寿ガーデンホールで行われ、平山秀幸監督、中村勘三郎、柄本明、小泉今日子ほかメインキャストが登壇した。

完成披露試写会は、まず会場前に設けられたレッドカーペットに、登壇ゲストが駕籠に乗って登場するという、江戸情緒たっぷりの演出で始まった。

舞台挨拶では、まず平山秀幸監督が「7年か8年前、下北沢の飲み屋で中村勘三郎さん、柄本さんと焼酎を飲みながら出てきたのが、このやじきたの物語。『てれすこ』とは何か分からないが、弥次さんが劇中で食べて、いい夢を見るので悪いものではない」と、映画の出発点を語かたる。

その「やじきた」の弥次さんを演じる中村勘三郎は、「これだけ長く、映画のスクリーンで顔をさらすのは46年ぶり。大竹しのぶが、一緒に旅をしたいといってくれたのが嬉しかった。皆さんも一緒に旅をするような感じで見て欲しい」と語った。また、「『真夜中の弥次さん喜多さん』に邪魔されないように」と、二男の中村七之助の主演映画で会場の笑いを誘う。

一方の喜多さんを演じる柄本明は、「病院から撮影現場に行き、撮影中に手術をした。首吊りのシーンを撮影したのち倒れて再入院し、現場復帰して撮影したのが酒乱のシーン」と、病と戦いながらの撮影を語る。

品川の売れっ子花魁・お喜乃を演じる小泉今日子は、「撮影を通し、日本はすごく綺麗な国なんだと思えた。現在の私たちが三人が歩いてる感覚と、江戸時代の私たちが歩いている感覚がもてる不思議な気分だった。弥次さん、喜多さん両方を相手に出来るようになりたい。疲れている人は、心が癒される映画だと思う」と、撮影現場を振り返る。

お喜乃の父・杢兵衛を演じる笹野高史は、「この作品をニューヨークで見たが、ワサビがきいた美味しいお茶漬けを食べた気分になった。その味を楽しんでください。」

地回りの甚八を演じる山本浩司は、「この舞台に立てていることに感激している。皆さんもこぞって映画館に来てください」。同じく地回りの太十を演じる松重豊は、「二人でコンビを組んでいるので宜しくお願いします」と語った。

奉行を演じる間寛平は、「題名の『てれすこ』が、どういう意味か全く分からず演じていた。笑いをとりたかったが、一字一句、間違わずに話した」と、会場を笑わせる。

また舞台では、中村勘三郎と間寛平が、島根県の松江にある『てれすこ』という郷土料理店が作ったお弁当を試食。中村が「映画の中で食べたのはまずかった。これは美味しい」と爆弾発言。

最後に平山監督が、「撮影現場はお祭りだった。出来上がった映画もお祭りのようで、難しいことを考えずに、お祭りに参加して欲しい」と締めくくり、舞台挨拶は終了した。

時代が変わっても心に響く、粋な国民的エンターテインメントを映画館で楽しんで欲しい。

監 督:平山秀幸
出 演:中村勘三郎、柄本明、小泉今日子、ラサール石井、笑福亭松之助、淡路恵子、間寛平 ほか
配 給:松竹
公式サイト:http://www.telesco-movie.com/
11月10日(土)より、全国ロードショー

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