夏の移籍マーケットでスタートダッシュに成功しているバルセロナ。来シーズンに向けての補強に、“ティエリ・アンリ(FW)、ヤヤ・トゥーレ(守備的MF)、エリック・アビダル(左SB)、クリスティアン・キブ(CB)”の4選手の名前が上げらているが、すでにアンリとトゥーレは獲得済み。バルサの新ユニフォームに袖を通している。そして、アビダルの獲得も間近と地元メディアは報じている。

 オリンピック・リヨンのジャン・ミシェル・オーラス会長が設定したアビダルの移籍金は2000万ユーロ(約33億1200万円)。これに対しバルサが提示したオファー額は1200万ユーロ(約19億8700万円)。オーラス会長はこれまで値下げには一切応じないスタンスをとってきたが、ここにきて譲歩の姿勢を見せている。

 アビダルの希望はバルサに移籍することであり、それを実現させるために7月2日から始まるリヨンのプレーシーズンに参加しないという強硬手段も辞さない構えを見せ、オーラス会長にプレッシャーをかける手段に出た。これに折れた形となったオーラス会長は、金曜日(29日)にもアビダルと話し合いを行うという。アビダルの移籍金はおそらく1500万ユーロ(約24億8400万円)か1600万ユーロ(約26億4900万円)辺りで落ち着くのではないかといわれている。アビダルへのオファーがバルサからだけというのもバルサにとってはラッキーな点だろう。他のクラブからオファーがあれば違った展開となっているはずだ。

 一方、難航しているのはキブの獲得交渉だ。26日にバルセロナ入りしたASローマのダニエレ・プラデGMは、バルサのフェラン・ソリアーノ副会長とチキ・ベギリスタインTDと交渉を行っている。キブに1800万ユーロ(約29億7900万円)を要求するASローマに対し、バルサは1300万ユーロ(約21億5200万円)プラス、インセンティブというオファーを提示。「バルサからのオファーは非常に興味深いものだが、現時点では保留の段階で、公に発表できる状態ではない」とコメントを残しローマに戻っている。キブ獲得には、バルサより良い条件のオファーを出しているインテルという強力なライバルがいることから、交渉は難航しそうだ。

 そして、バルサはキブ獲得が失敗に終わった場合にそなえ、デポルティーボのアンドラーデ獲得を念頭に入れている。27日にもチキTDはモッタの代理人ホルヘ・メンデス氏とモッタの将来について話し合っているが、同代理人はアンドラーデの代理人も努めており、おそらくアンドラーデについても話をしたと推測できる。

 交渉中のアビダル、キブの獲得については近々、何らかの進展があるはずだ。もし、両選手の獲得が成功した場合、バルサがヨーロッパ屈指の戦力を誇ることになるのは間違いない。バルサの勢いは止まらない。

(スペイン通信)