Jリーグ第9節は3日、各地で行われ昨季の王者・浦和レッズとジェフユナイテッド千葉が対戦。前半29分、ワシントンの先制点で主導権を握った浦和は、後半退場で一人少なくなった千葉に同点に追いつかれ、1−1の引き分けに終わった。

 ゴールデンウィークということもあり、超満員に膨れ上がった埼玉スタジアム。すっかり赤のユニフォームが馴染んだ阿部勇樹にとって、古巣との初対戦となった。浦和のオジェック監督は、今季初めてMF小野伸二をベンチに置き、前節からシステムを変更。阿部を左のウイングバックに置く3バックを採用した。
 
 序盤は千葉が優勢に試合を進める。U-22日本代表で中核を担う水野晃樹が右サイドを頻繁に駆け上がりクロス。浦和ゴールを攻め立てリズムを掴んでいった。しかし、相手を崩すも得点に結びつかないのが今季の千葉。次第に流れは浦和に傾いていった。

 そして前半27分、浦和が一瞬の隙をついてリードを奪う。左サイドにいた鈴木啓太がボールを受けると、マークについていた水野の股間を抜く意外性のあるプレーを披露。そのままグラウンダーでクロスをあげると、中央で待ち構えたワシントンが左足で流し込んだ。

 先制点を奪われ苦しい立場になった千葉に、追い討ちをかけるように試練が訪れる。後半開始1分、DF斎藤大輔がこの試合2枚目のイエローカードで退場。残り44分を一人少ない10人で戦わなければならなくなった。それでも勝利の女神は千葉を見捨てていなかった。後半5分、右からのロングスローから水本が強烈なヘッドを叩き込み、試合を振り出しに戻す。

 是が非でも勝ち点「3」が欲しい浦和は猛攻を仕掛け、千葉ゴールに襲い掛かる。だが阿部、ワシントン、闘莉王らが再三に渡り決定的なチャンスを外した。オジェック監督は、小野、平川を投入して攻撃をさらに活性化させようと試みる。しかし、最後まで千葉の厚い壁は破れず同点のままタイムアップ。結果的に勝ち点「2」を落とす形となり、57000人集まったサポーターを落胆させ、試合後には選手達に手厳しいブーイングが起こった。

 一方、対照的な表情だったのが千葉のイレブン。とりわけDFストヤノフの出場停止で出場機会が回ってきたDF中島浩司は明るく、自信に満ち溢れていた。前節の川崎戦に続き強豪相手に二戦連続して引き分け。開幕から調子を落としていたが、徐々にエンジンがかかってきた。