提供:週刊実話

写真拡大

 プロ野球・北海道日本ハムファイターズの本拠地移転により、『札幌ドーム』の経営が不安視される中、今度は『嵐』の活動休止が直撃した。2021年以降のコンサート開催が消えたことで、札幌ドームのさらなる経営悪化が予想され、所有する札幌市に対し怒りの声が上がっているという。

 昨年11月、日本ハムは北海道北広島市の運動公園に建設する新球場『北海道ボールパーク』(仮称、2023年3月開業予定)に本拠地を移すことを発表した。
「言うまでもなく札幌ドームの最大の顧客は日本ハム球団です。来る日に向けた穴埋め策の一環として、大規模な集客が見込めるコンサート誘致に力を入れていた。その矢先に嵐の活動休止発表ですからね。これで2年後の嵐のコンサートはなくなった。札幌ドームは札幌市職員の天下り先として批判のある第三セクター方式で『株式会社札幌ドーム』が運営している。殿様商売に胡坐をかいてきたツケが一気に回ってきた格好です。同時にドームを所有する札幌市の責任を追及する声もあります」(日本ハムファンのススキノ商店主)

 そもそも、札幌ドームは2002年サッカーW杯日韓共催での試合誘致を目指して建設された経緯がある。
「'04年に日本ハムが東京ドームから移ってきたことで、北海道コンサドーレ札幌と合わせ“サッカーと野球プロ2チームの本拠地”が謳い文句だったんです。しかし、札幌ドーム側の役人根性が抜けないのか、球団の要求や改善策を無視し続けた。その結果、日本ハムは愛想を尽かし、人口約197万人の札幌市から約6万弱の北広島市への本拠地移転を決めたんです」(札幌在住フリーライター)

 日本ハムが札幌ドーム側へ要求していたものは、広島の本拠地『マツダスタジアム』などで採用している指定管理者制度(公共施設の運営を民間企業やNPOに委託するシステム)だ。
「日本ハムは毎年9億円のリース料を含め、年間20数億円も札幌ドームに支払っているんです。しかも、グッズ売り上げ、飲食店運営はすべて札幌ドーム。球団には全く利益が入らないことから値下げを要求したが、逆に値上げする始末。指定管理者制度を拒否したのは、自分たちだけが甘い汁を吸うためです」(札幌のテレビ関係者)

 札幌ドーム側は「本拠地移転なんて、できっこない」とタカを括っていたという。しかし、日本ハムは北広島市への本拠地移転を決断。札幌市側は日本ハムに見捨てられたわけだ。
「現在の札幌ドームの年間売り上げは約40億円。日本ハムが出て行く2023年以降は収益の5割以上を失う計算になる。トップクラスの観客動員数を誇る『嵐』に頼らざるを得ない割合は大きくなっていた」(イベント関係者)

 これまで嵐は毎年11月に札幌ドームでコンサートを開催し、昨年は3日間で延べ約16万人を動員した。この人数は年間総来場者の5%以上を占めるのだ。

 春の嵐は早くも札幌ドームに吹き荒れている。